2025年法改正】耐震等級3が事実上の義務に!建築基準法改正で家づくりはどう変わる?

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2025年法改正】耐震等級3が事実上の義務に!建築基準法改正で家づくりはどう変わる?

2025年4月、住宅の設計・建築において大きな転機となる法改正が施行されます。これまで一部免除されていた構造計算が原則義務化され、「耐震等級3」の取得が現実的なスタンダードとなっていきます。

とくに影響を受けるのが、これから新築住宅を建てようとしている子育て世帯や共働き世帯です。安全性と快適性の両立を求めながらも、設計自由度やコスト面でのバランスに不安を感じている方も少なくないでしょう。

本記事では、「耐震等級3 義務化」とは何か、その背景や影響、そして住宅取得者にとってのメリットと注意点を整理します。

今回の法改正では、木造2階建て・延床200㎡超の住宅(新2号建築物)を中心に、構造計算が原則義務化されます。多くの新築一戸建てが該当し、従来より高い耐震性能と設計精度が求められる時代が到来します。

制度改正の全体像:何がどう変わるのか?

2025年の建築基準法改正では、4号特例の縮小や構造計算の義務化が導入され、新築住宅に求められる耐震基準が大きく変化します。

すべての住宅が耐震等級3を義務化されるわけではない

重要なのは、「すべての住宅で耐震等級3が義務化される」という誤解です。法改正の主眼は「構造計算の義務化」であり、その過程で耐震等級3の取得がより一般的な選択肢となる構造へと事実上傾いている、ということです。

構造計算が必要な「新2号建築物」では、許容応力度計算による耐震等級2以上がほぼ前提となり、等級3も設計要件として希望されるケースが増えています。

一方、引き続き壁量計算が可能な「新3号建築物」などでは、設計者と施主の判断で等級1や2で進めることも可能です。ただし、今後は住宅ローン金利や地震保険料の優遇措置も等級3に有利な流れになっているため、実質的に等級3の取得が標準になる見通しです。

しょーすけ
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等級3は今後の住宅取得の“実質スタンダード”です。

建築基準法改正の背景と目的

2025年4月、建築基準法が改訂され、省エネと耐震の両面で新たな基準が義務化されます。背景にあるのは、ZEH基準の推進や断熱強化による住宅の重量増への対応です。

ZEH仕様では断熱材や高性能窓、太陽光パネルの搭載により建物自体の固定荷重が増加します。旧来の簡易な壁量計算だけでは安全性を担保しきれないため、許容応力度計算などの精緻な構造計算が求められる時代となります。

この改正は、住宅全体の構造性能を底上げすることを目的としており、今後は高い耐震性能が標準仕様として認識されるフェーズに進んでいます。

「4号特例」縮小の詳細

これまで適用されていた「4号特例」は、木造2階建て・延べ500㎡以下の住宅などにおいて構造計算・構造図書提出を免除する仕組みでした。

2025年4月からはこの特例が縮小され、「新2号建築物」と「新3号建築物」に区分し直されました。

  • 新2号建築物:木造2階建てまたは延べ床面積200㎡超 → 構造計算書の提出義務あり
  • 新3号建築物:木造平屋・延床200㎡以下 → 一部審査の軽減は残るが条件付き

多くの木造住宅で構造計算が免除されない状況が生まれ、大手ハウスメーカーや一部の設計事務所では外注や人員増強が必要になります。

構造計算義務の核心:壁量計算と許容応力度計算の違い

構造計算と一口に言っても、実は複数の計算法が存在します。ここでは、壁量計算と許容応力度計算の違いを明確にし、耐震等級3の取得に必要な理由を解説します。

壁量計算とその限界

壁量計算は、仕様規定に基づき壁の総量や配置で住宅の基本的な強度を判断する方法です。この手法は比較的簡便で木造2階建て程度の小規模住宅で主に用いられます。しかし、最近の法改正により断熱材の厚みや太陽光パネルの設置が進む中、構造にかかる荷重が増加し、壁量計算では構造の安全性が評価しきれないケースが増えてきました

間取りの自由度が制限されやすく、開口部が多いプランでは耐力壁の配置数が不足しやすいという構造的な課題があります。

許容応力度計算とは何か?

許容応力度計算は、各部材にかかる荷重を鉛直方向・水平方向ともに詳細に計算し、実際の部材強度と照らし合わせて構造の安全性を精緻に判定する方法です。この精度の高い設計手法では、間取りの自由度を高めつつ、狙った耐震性能を実現できます。

耐震等級3の取得には、この計算が不可欠であり、高性能住宅の設計精度と安全性を支えます。ただし、計算業務が高度であるため、設計コストや期間が増えるというデメリットもあります。

「等級3」と「等級3相当」の違いとリスク

耐震等級3と相当の違い

「耐震等級3」と「耐震等級3相当」は似て非なるものです。

  • 耐震等級3:住宅性能表示制度に基づき、性能評価機関による審査を受けた正式な認定。
  • 耐震等級3相当:構造計算は行うものの、評価機関への正式な申請・認証を得ていないもの。

この違いは、地震保険の割引適用や住宅ローン優遇、将来の資産性などで明確に現れます。正式な等級3でないと、保険や融資での優遇措置が受けられず、トラブルの種になりやすくなります。実務上も、「相当」表現だけの住宅を選んでトラブルになる事例が見られるため、施主は十分に注意して選択する必要があります。

耐震等級3取得のメリットと活用法

耐震等級3を取得することで、地震保険の割引や住宅ローンの優遇など、さまざまなメリットが得られます。

地震保険の割引制度詳細

地震保険では住宅の耐震性能が評価され、等級に応じた割引があります。耐震等級3の住宅は保険料が最大50%割引となり、長期的なランニングコスト軽減につながります。

耐震等級地震保険割引率備考
等級10%割引なし
等級2約30%一部優遇あり
等級3約50%最大割引。評価書提出が必要

割引適用には、「住宅性能評価書」など公式な確認書類の提出が必須です。「等級3相当」だけでは書類が揃わず、割引が適用されないケースもあるので注意が必要です。

しょーすけ
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等級3で地震保険料が最大50%割引に!

資産価値・住宅ローンへの影響

耐震等級3を取得することで、資産価値や住宅ローン関連でも優遇を受けやすくなります。

    中古住宅の流通時に有利

    耐震性の高さが買主に評価され、価格維持に寄与します。

    住宅ローンの金利優遇

    フラット35Sでは金利優遇(最大▲0.25%)が適用されます。

    税制優遇や控除の拡充

    長期優良住宅や省エネ住宅の条件により、控除額が増加します。

これらの優遇が長期的な資金負担の軽減につながり、将来の売却時にも有利に働きます。

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フラット35Sでは最大0.25%の金利優遇。

補助金・税制優遇の活用

耐震等級3を取得した住宅では、他の性能基準との組み合わせにより、補助金や税制優遇の対象となるケースが多くあります。主要な制度と支援内容を以下にまとめました。

制度名要件・組み合わせ例支援内容(上限)
ZEH補助金ZEH基準+耐震等級3約40万円前後
長期優良住宅等級3+長寿命・省エネ性能など登録免許税・不動産取得税など軽減
子育て支援型補助金ZEH+等級3+子育て支援世帯など100〜160万円前後
LCCM(ライフサイクルCO2)住宅ZEH+等級3+再エネ設備・CO2排出削減同上(制度統合傾向あり)
住宅ローン控除・税制優遇長期優良住宅/省エネ基準を満たす控除額の上限が拡大

設計段階から複数の認定を視野に入れることで、資金面での負担を大きく軽減できます。自治体独自の補助金もあるため、早めに確認しておくと安心です。必要であれば、この表にあわせた補足説明や地域別支援制度の整理も可能です。

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複数認定を組み合わせると補助金額が増加。

※各制度の内容は年度により変更される場合があります。事前に公式情報をご確認ください。

ZEH義務化との関連と耐震・断熱性能の相乗効果

ZEH義務化により、住宅の断熱性向上や太陽光設備の導入が進む一方で、建物の重量増による構造面の影響も見逃せません。

固定荷重の増加と構造への影響

住宅の断熱性能強化や太陽光パネル設置により、住宅の固定荷重(自重)が以前より大幅に増加しています。断熱材や高性能窓が厚くなり、屋根には大きなパネルが乗るためです。

この荷重増は構造に直接影響し、地震時の横揺れ負荷も増加するため、従来の壁量計算では安全性を十分に担保しにくくなっています。その結果、強固な構造設計として許容応力度計算が必要となる場面が増えています。

ZEH基準を満たす設計で耐震性も担保

ZEH基準を満たしつつ、許容応力度計算を活用することで、断熱性能・発電性能と耐震性の両立が可能になります。具体的には、以下のような設計戦略が有効です:

  • 必要な壁や柱の断面を精密に設計し、間取りの自由度を維持しつつ強度確保
  • 階高や構造部材の配置を荷重分布を考慮して最適化
  • 多雪区域や大屋根下では、積雪荷重も加味した設計を許容応力度計算で可能

実際に、ZEH+耐震等級3を両立した住宅では、高断熱・太陽光搭載・耐震性能がバランスよく実現され、施主の満足度も高い事例が報告されています。設計段階で荷重計算を組み込むことで、安心・快適な高性能住宅を実現できます

しょーすけ
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ZEH+等級3で快適性と耐震性を両立可能。

設計自由度はどう変わる?注意すべきポイント

耐震等級3を目指すことで、間取りや外観デザインに制約が生じることもあります。

間取りと壁配置の制約

耐震等級3取得では、耐力壁の配置が住宅全体の骨格を左右します。大きな開口部や吹き抜けを設ける場合、必要な壁数が増え、間取りに制限が出るケースが少なくありません。窓を大きく取りたいリビングでは、耐力壁を意識して位置調整が必要となります。

このため、設計開始時点から「どの壁に構造を担わせるか」を明確にしてプラン検討を行うことが重要です。間取りの自由度と耐震性能を両立させるには、初期段階で構造設計者との連携が欠かせません。

建築コスト・スケジュールへの影響

耐震等級3対応には以下の要素が関わるため、コストと工期に影響が及びます。

    計算業務の工数増加

    詳細な構造計算により設計工期が延びる可能性あり。

    申請・審査回数の増加

    確認申請の追加資料や再提出が必要なケースも。

    コストの増加要因

    構造設計者の人件費や第三者チェック費が追加される。

計算にかかる人件費や申請時間が追加発生し、工期も数週間〜数カ月延びるリスクがあります。そのため、予算やスケジュールを立てる際には必ず余裕を確保してください。

しょーすけ
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工期は数週間〜数カ月延びる可能性も。

工夫で自由度を維持する設計のコツ

以下の工夫を取り入れると、耐震等級3の性能を保ちながら自由度の高い家づくりが可能です。

    隠し壁設計

    壁を収納や建具で覆い、構造強度を保ちつつデザイン性を両立。

    面材連動設計

    面材を活用した耐力壁で開口部とのバランスを取る。

    スリット階段

    開放感と構造安定を同時に実現できるアイデア。

これらを適切に組み合わせることで、間取りの工夫と構造安全性を両立でき、家づくりに対する不安や妥協を軽減できます。

ハウスメーカー・設計事務所の選び方

耐震等級3に対応するためには、実績のあるハウスメーカーや設計事務所の選定が重要です。

許容応力度計算対応の実績と信頼性

耐震等級3の家づくりを進める際、重要なのは構造計算の精度と実績です。以下のポイントをもとに、依頼先を慎重に選びましょう。

  • 許容応力度計算の対応経験が豊富か
  • 第三者機関による構造チェックを実施しているか
  • 他の耐震等級3案件の事例や完成実績があるか

設計事務所に構造専門の担当者が在籍している場合は、計算の信頼性が高まります。契約前に実際の構造計算書や評価書を見せてもらうのも有効です。

しょーすけ
しょーすけ

構造専門者がいる事務所が安心です。

プラン段階で等級指定を前倒し提案

耐震等級3を取得するには、早期にグレードを決めることが重要です。間取り作成と同時に等級要件を提示することで、構造上の調整がスムーズになります。

  • プラン作成と構造計算を並行して進める
  • 初期見取り図の段階で耐力壁の位置を検討
  • 建具・開口部の配置変更も構造要件に基づいて実施

このように早期段階から等級3に向けた設計方針を明確にすると、後戻りのない効率的な家づくりが可能となります。

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しょーすけ

等級3は設計初期に明確化するのがカギ。

見積もり内訳と費用透明化の重要性

等級3を目指す設計では、以下のように費用内訳が細分化されます。依頼先と事前に確認し、納得したうえで契約しましょう。

項目目安費用/内容例
構造計算費用(許容応力度)約10〜30万円
第三者構造チェック費依頼内容により変動(任意)
確認申請関連費提出書類・回数によって変動

それぞれにかかる目安金額を提示してもらうことが重要です。万が一の再計算や確認申請の再提出が発生した場合の追加費用についても、事前に取り決めをしておくと安心です。

長期優良住宅との連携強化

耐震等級3の取得は、単独でも大きな意味を持ちますが、「長期優良住宅」との組み合わせにより、制度的・経済的なメリットがさらに拡大します。2025年の法改正では、住宅の性能を総合的に高める方向に政策がシフトしており、「高耐震 × 長寿命」の視点が重要性を増しています。

長期優良住宅と等級3の関係性

以下のように、耐震等級3は長期優良住宅取得の“実質標準”となりつつあります。

    耐震等級2以上が必須

    長期優良住宅認定には、最低でも等級2が必要です。

    実務上は等級3が前提

    審査の通過率や評価性を考慮し、多くの設計者が等級3を採用しています。

    高耐震=資産性重視の証明

    等級3であることで将来的な売却や相続にも有利になります。

    制度改正により取得が容易に

    許容応力度計算の普及で、従来よりも構造設計がしやすくなっています。

しょーすけ
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長期優良住宅には等級3がほぼ前提に。

長期優良住宅で得られる主な優遇措置

優遇内容耐震等級3の効果
登録免許税の軽減所有権保存登記などが0.15%に軽減
不動産取得税の控除課税標準から最大1,300万円控除
固定資産税の減額5年間にわたり1/2軽減
住宅ローン控除の拡充控除限度額が最大5,000万円に拡大
補助金・支援制度の対象化国・自治体のZEH、子育て支援補助金と併用可

これらの制度は、単なる「高耐震」だけでなく「長期優良住宅」としての認定が前提となるため、設計初期から一体的に計画することが重要です。

耐風等級と構造安全性:地震だけじゃない、暴風にも強い家を

耐震等級が注目されがちですが、日本の住宅が直面するリスクは地震だけではありません。台風・暴風による被害も毎年のように発生しており、「構造の強さ」は総合的に考える必要があります。

そこで重要になるのが「耐風等級」です。

耐風等級とは?

耐風等級は、強風に対する建物の安全性を示す指標です。住宅性能表示制度の一環で、構造体がどれだけ風圧に耐えられるかを示す公的な基準として定められています。

耐風等級基準風速に対する性能対応レベル
等級1最低限の基準を満たす建築基準法の風圧力基準相当
等級2等級1の1.2倍の風に耐える台風常襲地域や沿岸部などに適した水準

※「風速1.2倍」は風圧力では約1.44倍となり、構造的には大きな差になります。

なぜ今「耐風等級」が重要なのか?

    大型台風の増加

    地球温暖化の影響で、毎年のように強力な台風が日本列島を直撃しています。特に西日本や沖縄では風速40m/s超の被害も。

    開口部・屋根の損傷リスク

    強風によりサッシや屋根材が吹き飛ばされ、室内に雨が浸入し、甚大な損害となるケースが多発。

    保険金支払いの増加傾向

    自然災害による火災保険金の支払いでは、風水害が地震を上回る年もあります。

耐震等級3 × 耐風等級2で「本当に強い家」に

現在、構造計算をともなう住宅設計では、耐震と耐風の両方に対応した設計が主流となりつつあります。許容応力度計算を用いれば、風圧力に対する強度も精緻に計算でき、等級2取得も視野に入ります。

  • 耐震等級3:地震に強い
  • 耐風等級2:台風・暴風に強い
  • 断熱・省エネ性能:快適な住環境と省エネ性

この3つをバランスよく満たすことで、「地震にも台風にも強く、しかも快適」な住宅が実現します。

しょーすけ
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耐風等級2との併用で台風対策も万全。

注意すべきリスクとQ&A

耐震等級3は、現代住宅における安全性・資産性の面で大きなメリットをもたらします。しかし、すべての建築計画に一律で最適とは限らず、設計自由度やコスト、制度上の制限など、慎重に検討すべきポイントも存在します。

「よくある疑問」や「見落としがちなリスク」について、Q&A形式で分かりやすく解説します。自分たちの家づくりに耐震等級3が本当に適しているか、どのような注意が必要かを整理し、納得のいく判断材料としてご活用ください。

Q1. すべての住宅が「耐震等級3」を取得する必要がありますか?

いいえ、必ずしも義務ではありません。

法改正により構造計算が義務化されますが、耐震等級3の取得までは義務ではありません。ただし、許容応力度計算を行う住宅が増えることで、自然と等級3を目指しやすい設計が一般化していきます。今後は、住宅ローンや保険の優遇などを踏まえ、実質的に等級3が「標準」として扱われる流れになりつつあります。

しょーすけ
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将来的に「等級3」が新築の当たり前に。

Q2. 「耐震等級3相当」ではダメですか?

正式な評価書のない「相当」では、優遇措置が受けられません。

構造上は等級3と同等の性能があるとされる「等級3相当」でも、第三者機関の評価を受けていなければ、公的な証明力がありません。そのため、地震保険の割引やフラット35Sなどの住宅ローン優遇が適用されないリスクがあります。将来の資産価値維持の観点からも、正式な評価取得をおすすめします。

Q3. 間取りに大きな制限が出るのでは?

構造設計の工夫で、自由度は維持できます。

耐震等級3を取得するには、耐力壁の量や配置に配慮する必要がありますが、許容応力度計算を行えば部材のサイズや配置を柔軟に調整できます。吹き抜けや大開口も、適切な構造設計で対応可能です。設計初期段階から構造との両立を見越して進めることで、希望の間取りと性能の両立が図れます。

Q4. リフォームや増改築のときも等級3が必要ですか?

ケースによっては必要になる可能性があります。

通常の内装リフォームであれば、耐震等級の取得は不要です。しかし、増築や大規模な構造変更をともなうリフォームでは、構造計算や等級取得が求められることがあります。また、耐震補強工事に補助金を利用する際は、耐震等級の証明書が必要になるケースもあるため、事前に自治体や設計者に確認しましょう。

Q5. 「等級3にこだわらない選択」もありですか?

状況によっては、等級2などの選択肢も現実的です。

    豪雪地帯

    雪荷重により構造が複雑化し、計算や施工費用が増加。

    限られた敷地・予算

    等級2でも安全性を確保できるケースがあり、柔軟な判断が必要。

    助成制度の有無

    補助金対象外であれば、費用対効果を再考する余地も。

Q6. 新制度の施行前に建て始めれば旧ルールが使えますか?

「確認申請日」が基準となり、条件次第で旧制度が適用されます。

2025年4月の法改正では、確認申請日が基準日となるため、改正前に申請が完了していれば旧制度が適用される可能性があります。着工日ではない点に注意してください。また、自治体によっては通知や運用の猶予期間を設けている場合もあるため、事前の確認が重要です。

【補足:経過措置の概要】

項目対象備考
4号特例の縮小改正前に確認申請を終えた案件従来の基準で審査可能
構造計算の義務化改正前に契約・申請を終えた案件一部例外を除き、旧ルール適用可能
自治体による猶予・通知地域によって設定される可能性あり必ず自治体公式サイトや相談窓口を確認

今こそ知っておきたい、「耐震等級3」が新築住宅の新常識

2025年4月の建築基準法改正により、住宅設計・構造の常識が大きく変わろうとしています。「4号特例」の縮小により、木造2階建て住宅であっても構造計算が原則必須となり、実質的に「耐震等級3」が新たな標準になっていくことは間違いありません。

一方で、すべての住宅に一律で求められるわけではなく、建物の用途や地域性によっては例外も存在します。したがって、自分たちの建てたい家がどの制度・等級に該当するのか、早い段階で専門家に確認することが不可欠です。

耐震等級3の取得は、単なる耐震性向上にとどまらず、以下のような複合的なメリットを生みます。

  • 地震保険料の大幅割引
  • 住宅ローン控除や補助金の優遇措置
  • 将来の資産価値維持や売却時の安心材料

その一方で、設計の自由度やコスト、工期への影響にも注意が必要です。これらを正しく把握したうえで、家づくりの方向性を見極めることが、後悔しない選択につながります。

これから家づくりを進める方におすすめしたいアクションは以下のとおりです。

    構造計算と耐震等級の確認から始める

    プラン相談の前に「許容応力度計算で耐震等級3を取得したい」と明言し、構造対応力のある会社を選びましょう。

    複数社に見積もりを取り、費用内訳を比較する

    計算費用や確認申請費が見積もりに明記されているかをチェックし、コストと信頼性のバランスを確認します。

    時期を逃さず申請・契約のスケジュールを調整する

    2025年4月以降の法改正を見据え、制度の経過措置を踏まえた早めのプランニングが重要です。

耐震性も、快適性も、デザイン性もあきらめたくない――。そのためには、制度の変化をチャンスと捉え、正しい情報と信頼できるパートナーと共に家づくりをスタートすることが重要です。

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