鉄骨？木造？積水ハウスで家を建てるなら知っておきたい構法の選び方

積水ハウスでの家づくりでは、「鉄骨と木造のどちらを選ぶべきか」が早い段階で大きな分岐点になります。外観や間取りだけでなく、構造そのものが暮らしやコストに与える影響は少なくありません。

構法は単なる素材の違いではなく、耐震性・断熱性・設計自由度・将来のメンテナンス性など、家の基本性能を左右する根本的な選択です。さらに、家族構成やライフスタイルとの相性によって、最適な構法も変わってきます。

この記事では、積水ハウスが提供する鉄骨・木造それぞれの構法の特徴や性能を比較し、どちらを選べば後悔しないかという視点で判断基準を明確します。間取りやコストだけでなく、快適性や資産価値まで踏み込んで、自分に合った構法を選ぶための道筋を作っていきましょう。

鉄骨は大空間で木造は温熱に強く共に耐震等級3を満たす

積水ハウスの家づくりは、鉄骨と木造がどちらも高水準で整えられている点が大きな特徴です。どちらを選んでも耐震等級3を満たす構造設計が可能で、住宅としての基本性能に大きな差はありません。構法ごとの特徴を把握すると、間取りの自由度や快適性がどのように変わるかが見え、暮らし方に合う構法を判断できます。鉄骨は大空間の実現力、木造は温熱・コストとの相性が強みとして機能します。

鉄骨構法は大空間設計と対応モデルで選ぶ

鉄骨構法は、柱や梁に鋼材を使用し、強度と寸法精度の高さを生かして空間を支える仕組みです。積水ハウスは軽量鉄骨と重量鉄骨を使い分け、敷地条件や階数に応じた最適な耐震性能を実現します。

軽量・重量の違いを整理すると、空間設計や対応できる建物規模が明確になります。

構造区分	主な特徴	得意とする空間	対応モデル
軽量鉄骨	軽さと強度の両立が特徴	大開口・大空間LDKの実現	IS ROY+E、Be Sai＋e など
重量鉄骨	非常に高い剛性を確保	多層階や賃貸併用住宅	IS STAGE、ビエナ、ベレオ・プラス

※軽量鉄骨は2階建て中心、重量鉄骨は3階以上や賃貸併用まで対応

鉄骨は柱スパンの取りやすさが強みで、最大7mの大スパン設計に対応し、LDKを一体空間として広く確保しやすい点が魅力です。吹き抜けやオーバーハングなど、構造負荷の大きいデザインにも強く、敷地条件に左右されにくい安定した構造をつくれます。

木造シャーウッドは断熱性とコストに優れる

シャーウッド工法は、積水ハウスが独自に開発した木造軸組構法で、木材の強度と接合部の精度を高める技術が組み込まれています。木造でありながら工業化された安定品質を確保し、耐震性と施工精度を両立しています。

木造構法の特徴を整理すると、温熱性能とコストの観点で選びやすくなります。

木質の強み

木材は断熱性が高く、外気温の変化を受けにくい室内環境をつくりやすい素材です。

接合部の強化

専用金物で柱と梁を固定し、揺れに強いフレームをつくります。接合強度の均一化で耐震性を底上げできます。

シリーズ展開

シャーウッドは都市型・郊外型どちらにも対応し、2階建てを中心に幅広いプランを実現します。

木造はスパンに制限があり、最大6mが上限となりますが、一般的な30〜40坪の総二階では不都合が少なく、間取りに柔軟性を持たせやすい工法です。断熱材の厚みを確保しやすいため、冬の暖かさや光熱費の観点で生活へのメリットが得られる点も特徴です。

構法ごとの耐震・断熱性能を数値で客観的に比較

性能を数値で比較すると、鉄骨と木造のどちらが生活スタイルに合うかを把握できます。耐震等級・C値・断熱材の性能などは住宅の基本性能に直結し、快適性や将来コストにも影響します。快適さと安心を重視するなら温熱と気密、空間の自由度を重視するなら構造の強度が選ぶ基準になります。

耐震等級3は共通だが構造と揺れの逃がし方に差がある

地震への強さを見るうえで、材料の違いだけでは判断できません。耐震等級、構造の組み方、負荷の逃がし方を合わせて評価すると両構法の特徴が明確になります。

積水ハウスは鉄骨・木造ともに耐震等級3を取得できますが、構造のつくり方に違いがあり、強さの出し方が異なります。建物の揺れ方や、設計時に確保できる強度の余裕が判断のポイントです。

鉄骨はダイナミックフレームで地震エネルギーを分散

鉄骨は素材の強度が高く、構造体の剛性が大きいことで耐震性の基礎がつくられます。積水ハウスの鉄骨は負荷の分散が効率的で、強い揺れでも変形を抑えやすい構造が採用されています。

ダイナミックフレーム

軽量鉄骨を連続フレーム状に組み、地震エネルギーを柱と梁で分散して揺れを抑える構造です。

フレキシブルβシステム

重量鉄骨で強固なラーメン構造を形成し、多方向の揺れにも粘り強く耐える骨格を確保します。

鉄骨は構造体の強さに余裕を持たせやすく、スパンや開口を広くしても耐震性が落ちにくい点が特徴です。大空間や吹き抜けを伴うプランで地震に強い家を実現できます。

木造は金物と耐力壁の配置で揺れに強い構造

木造は素材自体がしなやかで、揺れを吸収する性質を持っています。積水ハウスは接合部と耐力壁を最適配置することで、木造でも高い耐震性能を確保します。

接合強度の均一化

専用金物で柱と梁を固定し、構造欠損を抑えて揺れに強いフレームを形成します。

耐力壁のバランス配置

家全体の変形を抑えるため、壁の量と位置を調整し、揺れに対して均一に抵抗します。

木造は耐震設計の自由度が高く、必要な部分に補強を追加して最適な強度を確保できます。総二階の構造では耐震効率が高く、間取りと強度の両立がしやすい特徴があります。

鉄骨は内断熱で対応し木造は気密性と素材断熱が有利

温熱性能は断熱材の性能と厚み、開口部の仕様、施工精度によって決まります。素材そのものの熱伝導率だけでは判断できず、断熱構成の違いが快適性に影響します。

鉄骨は熱を通しやすい素材ですが、断熱材を室内側に連続して配置することで断熱性を確保できます。木造は柱自体が断熱材のように働き、外気の影響を受けにくい構造がつくれます。

性能項目	鉄骨構法	木造構法
断熱材の位置	鉄骨の内側に連続して配置	柱の外側に厚く配置
熱橋の発生	部位によって発生しやすい	柱が断熱材の役割を補う
C値の傾向	1.5前後が一般的	0.6前後まで確保しやすい

※C値は小さいほど気密性が高い

気密性では木造が有利で、施工のばらつきが小さければ高い数値を得やすい特徴があります。鉄骨は構造体の伸縮に配慮した施工が必要になり、気密性の確保には技術差が反映されやすくなります。

鉄骨は音が響きやすく木造は振動吸収と蓄熱性が高い

生活に影響する要素として、温度変化への強さや音の伝わり方が挙げられます。構造体の性質が異なるため、同じ性能値でも体感に違いが出ます。

鉄骨は剛性が高いため、振動が階間に伝わりやすく、足音や生活音が響きやすい傾向があります。木造は構造体が振動を吸収しやすく、音の伝わりにくい室内環境をつくれます。

寒さに関しては、鉄骨は熱を通しやすいため断熱材の施工品質が重要です。木造は蓄熱性と断熱性が素材に備わり、外気の変化を受けにくい安定した温熱環境を確保できます。

鉄骨と木造は性能の出し方が異なりますが、最終的な快適性は断熱仕様や施工品質によって大きく変わります。素材の特徴を理解すると、必要な性能をどのように確保すべきか判断できます。

鉄骨は設計自由度が高く木造は制限内での工夫が必要

理想の住まいは、間取りの設計自由度に大きく左右されます。構法ごとに構造上の制限や強みが異なり、広さ・天井高・吹き抜けなど空間のつくり方に違いが出ます。鉄骨は「自由度の高さ」、木造は「制限の中での工夫」がカギになります。

鉄骨なら7m級スパンで吹き抜けなど負荷の大きい設計を実現

鉄骨構法は、柱や壁に依存せず構造体自体で建物を支えるため、大空間をつくる際に制約が少なくなります。7m級のスパン（柱と柱の間隔）を取れる点が、間取り設計に大きな自由をもたらします。

吹き抜け＋大開口のリビング

柱の少ない構造により、天井まで広がる開放的な空間を実現できます。

ビルトインガレージやオーバーハング

構造強度に余裕があるため、1階を開放した大胆なプランが可能です。

多層階・スキップフロア

重量鉄骨なら3階建て以上や段差設計も構造的に対応しやすい利点があります。

都市部など敷地に制約がある場合、建物の奥行きや高さを活かす設計が必要になります。鉄骨は限られた敷地で最大限の空間を確保したいケースに強みを発揮します。

木造はスパン6mが上限だが構造計算で柔軟に設計できる

木造構法は、構造的に柱や梁の配置に制限があります。最大スパンは約6mとされ、鉄骨よりも広さや天井高に制限がかかります。ただし、設計の工夫や構造計算によって制限の影響を最小限に抑えることが可能です。

設計制限	対応の工夫	効果
柱間スパンの限界	空間を分割して配置	広がりと構造安定の両立
梁の太さの制限	2階の配置や部材の変更	天井高の確保と強度維持
耐力壁の配置制限	間仕切りを活用した壁配置	設計の自由度を確保しやすくなる

木造でも5m×5.5m以上の空間は設計可能ですが、梁が太くなったり、天井内に収めにくい機器制約が出ることもあります。設計士の経験と構造計算による調整が、快適さと安全性の両立に直結します。

標準的な総二階ならどちらの構法でも同等の居住性

構法による差がほとんど出ないケースもあり、その場合は好みや予算で選んでも後悔が少なくなります。構法の選択による違いが出にくい家にはいくつかの共通点があります。

• 総二階・30〜40坪の標準的な戸建て
• 吹き抜けやスキップフロアがない構成
• 6mを超えるスパンや構造負荷の高い設計を必要としない間取り
• 重量外壁材（例：ダインコンクリート）を用いないデザイン
• プラン変更が少なく、シンプルな生活動線を優先した設計

このような条件の家は、鉄骨でも木造でも設計上の支障がなく、どちらの構法でも同等の居住性と安全性を確保できます。構法で迷った場合は、設計上の制約ではなく「空間デザイン」「断熱性能」「コスト構成」など、別の視点から選択すると納得しやすくなります。

鉄骨は標準仕様が充実し木造は性能強化で費用が増す

家づくりの費用は、構法によっても大きく変わります。初期の坪単価だけでなく、オプション追加・施工条件・メンテナンス性まで見ていくと、「高いけれど価値がある鉄骨」「安くても注意が必要な木造」という実態が見えてきます。表面的な金額だけでなく、含まれる仕様の質や長期的な費用を加味して選ぶことが重要です。

鉄骨は初期費用が高いが標準仕様で追加コストを抑える

鉄骨構法は、建物の骨組み自体にコストがかかるため、坪単価ベースで見ると木造より高額になります。積水ハウスの鉄骨は耐震・断熱・デザイン性などに優れた標準仕様が多く、基本価格に含まれる要素が充実しています。

比較項目	鉄骨構法の特徴
坪単価の傾向	約90〜110万円（建築条件により変動）
含まれる設備	高断熱サッシ・大型サッシ・外壁標準化
設計自由度	吹き抜け・ビルトインなどを追加費用なしで設計可能
躯体コスト割合	総費用の中で構造体が占める割合が高め

※参考価格は地域・仕様により変動します

鉄骨構法は初期費用が高く見えても、標準で実現できる設計自由度や性能の高さが含まれており、追加コストが抑えられるケースが多いのが特徴です。

木造は安価だが高断熱化や外装変更で費用が上昇する

木造構法は鉄骨に比べて材料費・加工費が抑えられ、初期の坪単価は比較的安くなります。ただし、設計の制約を超える仕様や、高断熱・高気密仕様を求めた場合に追加費用が発生しやすくなります。

断熱・気密強化の追加施工

標準仕様では断熱等級が低く、寒冷地やZEH基準に対応するには追加断熱が必要になるケースがあります。

構造補強・梁サイズの増強

間取りにより梁の太さや柱配置を変更する場合、設計費や構造材費用が上乗せされます。

外壁や屋根材のグレードアップ

見た目や性能を求めると、ベルバーンや瓦などの外装材アップグレードが割高になりやすい傾向があります。

見積もり段階では安く見えても、実際の設計希望を反映させていくと価格が急上昇するケースがあり、初期費用と最終費用にギャップが出やすいのが木造の注意点です。

標準とオプション範囲を把握し仕様変更の費用を防ぐ

構法ごとにありがちな費用の見落としや誤算を避けるには、追加費用が発生しやすいポイントを事前に理解しておくことが重要です。

鉄骨での落とし穴

ダインコンクリートの外壁は標準だが、重さによる施工制約や将来的な修繕費が高めになりやすい傾向があります。

木造での落とし穴

断熱・気密施工の仕様強化がオプション扱いになる場合が多く、快適性を求めると価格が膨らみやすい特徴があります。

共通して見落とされやすい点

コンセント・照明・収納の数や位置調整が有償対応となるケースもあり、打ち合わせ後半で追加費用が発生しやすい構造です。

仕様の標準範囲とオプション範囲を明確にし、希望条件を事前に洗い出して見積もりに反映しておくことが費用計画のカギになります。どちらの構法でも、設計変更やグレード選定で費用が変動することを前提に、余裕を持った資金計画が不可欠です。

リフォーム自由度や修繕費から将来の資産価値を考える

家を建てるだけでなく、「いつまで住めるか」「何年後に何が起きるか」という視点は、将来の負担を軽くするうえで欠かせません。構法の違いは、リフォームの自由度や修繕のしやすさ、売却時の資産価値にも影響します。今の条件だけでなく、20年後・30年後の暮らしや家族構成の変化を見据えた判断が必要です。

鉄骨は間取り変更に制約があり木造は可変性が高い

将来的に子ども部屋を仕切る、二世帯化する、ワークスペースを増やすなど、間取りを変更する可能性は少なくありません。構法によってリフォームの自由度に差が出るため、構造の特性を把握しておくと失敗を避けやすくなります。

比較項目	鉄骨構法	木造構法
間取り変更の自由度	構造上の制限が大きく、間仕切り変更に制約が出やすい	耐力壁の配置次第で柔軟に変更可能
解体のしやすさ	鉄部材の取り扱いに専門性が必要で難易度高め	木材のため解体・再構築がしやすい
リフォームコスト	補強や開口処理に追加費用がかかりやすい	シンプルな構造変更で済むことが多い

鉄骨構法は構造体が堅牢なぶん、壁を抜いたり部屋数を増減する際に制約が生じやすく、木造の方が可変性は高い傾向にあります。子どもの独立や介護などライフスタイルの変化が予想される家庭では、間取りの自由度が資産価値にも直結します。

鉄骨は修繕単価が高く木造は維持管理頻度が高くなる

住宅は建てた後も、定期的なメンテナンスが必要になります。構法によって使われる素材や構造が異なるため、将来的に必要な修繕内容とコストに差が生じます。

鉄骨構法の維持管理

外壁（ダインコンクリート）や金属部材は耐久性が高い一方、塗装やコーキングの更新には専門性が必要で、修繕時の単価が高めになります。

木造構法の維持管理

木材の部材は交換しやすく、補修の柔軟性はあるが、湿気やシロアリ対策を怠ると劣化リスクが高くなる特性があります。

共通項目

屋根・外壁・配管・設備機器はどちらの構法でも10〜20年スパンでメンテナンスが必要です。

構造体自体の耐用年数はどちらも長期対応できますが、鉄骨は一度にかかる費用が高めで、木造はメンテナンス頻度が高くなる傾向があります。費用だけでなく、手間や専門業者の有無も判断材料となります。

鉄骨は資産性が高く木造はリフォームと低燃費で評価

住宅を長く使うには、次世代に住み継いだり、売却・賃貸での活用も選択肢になります。構法の違いは、そのまま資産価値の変動や取引のしやすさにも関係してきます。

鉄骨構法

耐震性・外観の重厚感が評価され、賃貸併用や3階建て物件では資産性が高くなりやすい特徴があります。

木造構法

リフォームのしやすさや温熱性能の高さが評価され、住み継ぎやすさとランニングコストの安さで再評価される傾向にあります。

不動産価値は立地が大前提ですが、構法による維持管理のしやすさや間取り変更の柔軟性が、買い手の安心材料になることも多いです。相続や売却を前提にする場合、構法の選び方で選択肢の幅が広がります。

性能だけでなく将来の暮らし方との相性で構法を決める

構法の違いは性能や価格だけでなく、暮らし方との相性にも大きく関わります。どんな家族構成か、何を大切にしたいのか、将来どう暮らしていくかによって、鉄骨と木造で「向いている条件」がはっきり分かれます。性能の優劣ではなく、「自分のライフスタイルに合う構法かどうか」で判断することが後悔を避けるカギになります。

開放的LDKや多用途住宅と地震対策を求めるなら鉄骨

鉄骨構法は構造的な強さと自由度の高さが特長です。大空間や特殊な設計が必要なライフスタイルには鉄骨が有利に働きます。

広いLDKや吹き抜けを優先したい

柱の制限が少なく、7m級のスパンでも構造上安定して空間を確保できるため、開放感重視の間取りに最適です。

賃貸併用・3階建てなど多用途住宅にしたい

重量鉄骨なら3階建てやビルトインガレージにも対応し、将来的な収益性も加味した設計が可能になります。

狭小地・変形地でも設計に妥協したくない

構造体の強さにより、敷地条件に制約があっても設計の自由度を維持できます。

将来の地震リスクを重く見ている

制震構造や高耐力の鉄骨材を使うことで、繰り返す地震への耐性を重視した設計が実現しやすいです。

デザイン・外観の重厚感を重視したい

ダインコンクリートなど鉄骨専用外壁材による高級感ある外観を求める場合に適しています。

鉄骨は「自由な設計」と「将来に備えた安心感」を求める暮らしに向いています。住宅性能だけでなく、家としての役割が多機能になる場合にその強みが活かされます。

間取り変更やコストと自然素材を重視するなら木造

木造構法は、自然素材の扱いやすさと温熱環境の安定性が魅力です。快適さとコストバランスを重視する家庭にとって現実的で合理的な選択肢になります。

家族の暮らしに合わせて間取りを変えたい

耐力壁の配置変更がしやすく、子育てや二世帯などライフステージに応じたリフォームに強い特徴があります。

高断熱・高気密で光熱費を抑えたい

柱自体が断熱性を持つため、寒暖差が大きい地域でも温熱効率を高めやすい構造です。

コストパフォーマンスを重視したい

坪単価が抑えやすく、一定の性能を確保しながらも予算内で収めやすいメリットがあります。

木の質感や自然素材の雰囲気を大切にしたい

内装や造作に木材を活かしやすく、ナチュラルテイストや和風デザインとの親和性が高い構法です。

長期的に住み継げる家を目指したい

リフォーム性や部材交換のしやすさから、住み継ぎやすく管理の自由度が高い住まいをつくりやすいです。

木造は「日々の快適性」と「将来の変化への柔軟性」を重視する暮らしに適しています。性能と費用のバランスが取れており、家族構成の変化や将来設計を柔らかく受け止めてくれる選択肢です。

あなたに合うのは鉄骨？木造？モデル診断付き構法選びガイド

理想の住まいを実現するには、「どの構法が合うか」「どのシリーズを選ぶか」の2つを明確にすることが必要です。積水ハウスの鉄骨・木造それぞれの特徴と、モデルごとの向き不向きを簡易診断し、スペックと暮らし方のバランスが取れる選択肢を導きます。

空間設計なら鉄骨を選び快適性と将来設計なら木造

構法選びは、要望や優先順位をもとに整理していくと判断しやすくなります。以下に当てはまる数が多い方が、自分に合う構法の傾向です。

質問内容	鉄骨が向いている人	木造が向いている人
吹き抜けのある開放的なLDKが欲しい	○	△
3階建てやビルトインガレージを検討している	○	△
設計や構造の制限が少ない方がいい	○	△
光熱費やメンテコストを重視している	△	○
リフォーム・住み継ぎを前提に考えている	△	○
自然素材や木の質感を好む	△	○
初期費用よりも総合コストを重視したい	○	○
暖かく、静かな家が理想	△	○

○が多かった列が、構法選びのヒントになります。空間設計や構造の自由度を重視するなら鉄骨、快適性や柔軟な将来設計を優先するなら木造が適しています。

鉄骨は性能、木造は質感と居住性でモデルを決める

構法が決まったら、次はシリーズごとの特徴を把握し、自分に合う商品を選びます。積水ハウスでは、各構法に複数のモデルが用意されており、性能・デザイン・ライフスタイルに合わせて選択できます。

鉄骨モデル（IS STAGE／IS ROY+E／ビエナ／ベレオ・プラス）

鉄骨構法では、耐震性とデザイン性を両立したモデルが揃っています。それぞれの特徴と向いている世帯層を明確にしておきましょう。

IS STAGE（アイエスステージ）

重厚感あるファサードと高い断熱・遮音性能を両立した主力モデル。都市型住宅や高性能志向の家族に適しています。

IS ROY+E（アイエスロイエ）

ホテルライクな内装や大開口設計に強い上位モデル。吹き抜けや大空間リビングを希望する層に人気があります。

ビエナ（Bienia）

外観と構造にヨーロピアンテイストを取り入れたモデル。輸入住宅風の雰囲気や個性あるデザインを求める方に適しています。

ベレオ・プラス（BELLEO+）

鉄骨の賃貸併用モデルで、資産性・収益性を重視した二世帯・オーナー向けの設計です。

鉄骨モデルは「性能 × デザイン × スケール」で選ぶのが基本軸です。二世帯住宅・3階建て・土地制限がある場合に選択肢が広がります。

木造モデル（シャーウッドシリーズ）

シャーウッドシリーズは積水ハウスの木造ラインで、構造強度と木質感を両立した工法がベースにあります。断熱性・気密性・耐久性に優れつつ、快適さとコストバランスを重視した設計が可能です。

グラヴィスシリーズ（Gravis）

高断熱＋重厚デザインの上位ライン。平屋や和モダンを好む層、永く住み継ぎたい家庭に向いています。

ザ・グラヴィス（THE Gravis）

開放感のある高天井設計と、ラグジュアリーな内装仕様が特徴。木造でも高級感を重視する方に選ばれています。

里楽（りらく）

シニア向けや終の住処を意識したモデル。段差の少ない動線や温熱性能を活かした安心設計が特徴です。

マキシオ（MAKSiO）

ファミリー層向けのコストバランスモデル。省エネ性能を備えつつ、木のぬくもりを活かした暮らしが実現できます。

シャーウッドは、木の素材感と温かさ、リフォーム性、快適性を重視した暮らしに適しています。平屋や長期居住、家族とともに変化する住まい方にフィットしやすいモデルが揃っています。

口コミ・評判

多くの実例ブログ・体験記事を通じて、積水ハウスの鉄骨構法・木造構法を選んだ方々の「満足の声」「気になった声」が見えてきます。暮らしの実感をもとに、構法選びの判断材料として役立つ口コミを整理しました。

鉄骨の大空間や木造の温熱改善とスタッフ対応が好評

鉄骨の寒さや木造の予算超過など仕様のズレが指摘

予算と仕様、性能を確かめて後悔を防ぐ

口コミから読み取れる共通の傾向として、まず鉄骨の大空間や木造の温熱改善とスタッフ対応が好評では「性能・設計自由度・対応力」が選ばれる理由となっています。鉄骨では吹き抜け・大スパン設計、木造では温熱性・リフォーム対応力が高評価です。

一方、鉄骨の寒さや木造の予算超過など仕様のズレが指摘では「コストの見落とし」「仕様と期待のギャップ」「快適性の体感差」が問題点として挙がっています。構法選びでは「予算設定」「仕様確認」「体感性能」を事前に整理することが、後悔を避けるための重要な判断軸となります。

よくある質問

積水ハウスでの家づくりに関して、構法選びや性能面で多くの方が感じやすい疑問をQ&A形式で整理しました。判断に迷いやすい点を事前にクリアにしておきましょう。

Q1. 積水ハウスの鉄骨と木造で耐震性はどちらが上ですか？

A. 耐震性はどちらも最高等級で、構法差より設計対応が重要です

積水ハウスでは、鉄骨・木造どちらの構法でも耐震等級3（最高等級）に対応しています。構法ごとの差よりも、間取りや地盤条件に応じた設計対応と制震技術の有無が耐震性を左右します。

• 鉄骨は制震構造「シーカス」採用で揺れを吸収
• 木造は接合部強化と設計密度で耐震性を確保
• 地盤調査と基礎設計も同等の耐震性には不可欠

Q2. 木造は安いと聞きますが、実際にどのくらい差がありますか？

A. 坪単価で5〜15万円の差が出ることがあります

木造の方が初期コストは抑えやすい傾向にあります。ただし、仕様グレードや断熱・耐久性能を調整すると金額差は縮まりやすくなります。

比較項目	鉄骨構法	木造構法
坪単価目安	約85〜100万円	約70〜90万円
標準仕様	高グレード傾向	柔軟な設定が可能
オプション差	少なめ	多くなりやすい

※地域やモデル、選択仕様により変動します

Q3. 鉄骨造は本当に寒くなりやすいのですか？

A. 断熱施工が適切なら寒さの差はほとんど感じません

鉄骨は熱伝導率が高い素材のため、断熱対策が不十分な場合に冷えを感じやすくなります。しかし、現在の鉄骨住宅は断熱材・サッシ性能が大幅に向上しており、C値やUA値でも木造と同等レベルに達しています。

• 気密・断熱数値の実績を確認
• 床断熱・天井断熱の施工方法も比較
• 日射取得・日射遮蔽の設計が体感に直結

Q4. リフォームしやすいのは鉄骨と木造どちら？

A. 木造の方が間取り変更や水まわり移設がしやすいです

鉄骨構法は柱や梁の構造が強固な反面、大規模な間取り変更には制約が出る場合があります。
木造は壁構造を取りやすく、水道・電気配線の移動なども柔軟に対応可能です。

• 木造は構造上の可変性が高い
• 鉄骨は重量構造部材がリフォームの制約になりやすい
• 将来的な可変性を重視するなら木造が有利

Q5. 二世帯住宅には鉄骨と木造どちらが向いていますか？

A. 音対策・構造強度の観点から鉄骨が適しています

二世帯住宅では上下階や左右の音の伝わりや構造負荷が大きくなりやすいため、遮音性と耐久性に優れる鉄骨構法が適性を持ちます。

• 鉄骨は界壁・床の遮音性能が高い
• ビルトインガレージ・3階建てにも対応しやすい
• 設計自由度が高く分離型二世帯にも柔軟に対応可能

鉄骨と木造どちらを選ぶ？積水ハウスの構法は暮らし方で判断する

構法の違いは、単なる建材の選択ではなく、暮らし方・予算・将来設計すべてに直結する重要な判断軸です。鉄骨は耐震性や設計自由度に優れ、大空間や都市型住宅に強みがあります。木造は快適性やリフォーム性が高く、家族構成の変化にも柔軟に対応できます。

また、耐震性や断熱性能などの物理的スペックだけでなく、間取りの自由度・メンテナンス性・資産価値・ランニングコストなども構法ごとに明確な傾向があります。坪単価やオプション費用を含めた費用感の違いも、長期的な住まいの満足度に影響します。

最終的な構法選びは、自分や家族の暮らし方にどれだけフィットするかが決め手になります。将来どう住み継ぐか、どう変化していくかまで含めて、「家＝暮らしの器」として最適な選択をしましょう。構法を正しく理解し、納得して選べば、積水ハウスでの家づくりはより安心で満足度の高いものになります。