積水ハウスの標準仕様はここまで高性能！設備・構造・外壁の違い

積水ハウスの住宅は「標準仕様＝ベースグレード」とは思えないほどのクオリティを備えています。構造・断熱・外壁・水まわりに至るまで、住宅の基本性能を高水準で網羅した内容が最初から含まれていることが大きな特長です。

重要なのは、鉄骨・木造どちらを選んでも共通して「耐震性・断熱性・素材の質」が高いレベルで設計されている点です。これは、積水ハウスが「構造・素材・施工すべてにおいて長期的な安心」を標準で確保しているからこそ実現できる内容です。

この記事では、まず積水ハウスの標準仕様の全体像を把握し、どこまでが標準で満足できるのか、どこに追加予算が必要になりやすいかまで明確にしていきます。特定の商品シリーズや個別設備の詳細に進む前に、選択肢を冷静に判断する土台として活用できる情報を整理していきましょう。

積水ハウスの標準仕様は高性能住宅の基準仕様に該当する

積水ハウスの標準仕様は、住宅の寿命や快適性に直結する部分を中心に強化された内容です。構造・外壁・断熱・設備のすべてに長期使用を前提とした耐久設計が組み込まれているため、追加オプションを前提としなくても暮らしの質が安定します。鉄骨と木造のどちらを選んでも、耐震性能・断熱性能・素材品質が共通して高水準に整う基準ラインである点は大きな価値です。

外壁の耐久年数や構造の耐震性など、住宅性能を左右する領域が標準で強化されているため、将来のメンテナンス負担が抑えられます。設備面も扱いやすさと耐久性を兼ね備えたグレードが採用され、「初期から必要十分以上の品質が確保されている」という安心感が大きな特徴です。

積水ハウスは全体を高性能装備で標準化している

日常で使用頻度の高い設備から建物の骨格を支える構造まで、すべてが一定水準以上にそろう点が積水ハウスの魅力です。各項目はメーカー名や素材が明確で、比較検討しやすい透明性の高い仕様に統一されています。

• キッチン：Panasonic「ラクシーナ」／クリナップ「ステディア」
• 浴室：積水ホームテクノ「バスサルーンエスコート」
• トイレ：TOTO「ピュアレスト」／LIXIL「アメージュ」
• 洗面台：LIXIL「クレヴィ」／Panasonic「ウツクシーズ」
• 外壁：ダインコンクリート／セラブリッド／ベルバーン／シェルテックコンクリート
• 窓：SAJサッシ（超高断熱アルミ樹脂複合）
• 断熱：ぐるりん断熱（等級5）
• 構造：ダイナミックフレーム・システム／フレキシブルβ／シャーウッド構法
• 空調：エアキス
• 基礎：布基礎

主要装備はこの一覧がベースとなり、構造・断熱・外壁など“家の性能の核”となる部分が高品質のまま標準化されていることがはっきりわかります。外壁と窓の性能が高水準で統一されている点は、光熱費やメンテナンスコストに直結し、長期的な安心につながる要因になります。

積水ハウスの構造は全棟耐震等級3と実証性能を標準化

積水ハウスの住宅はすべて、耐震等級3を標準で取得しています。これは消防署や警察署など災害時の拠点となる建物と同等の耐震性能を意味し、住宅として取得できる最高ランクです。

ただし、等級3を満たすだけでは不十分と考え、積水ハウスでは実物大の振動実験を繰り返し、構造ごとの性能検証も徹底しています。地震が発生した際の変形量や損傷リスクを最小限に抑える設計が施されており、設計数値ではなく実証済みの性能が確保されているのが他社との明確な違いです。

鉄骨2階建ては耐震制震を両立する梁構造を採用

鉄骨構造の1〜2階建て住宅では、強さとデザイン性を両立できる構法が採用されています。耐震性の中核を担うのが、「ダイナミックビームR」と「ダイナミックビームK」という高強度梁です。

要素	特徴
梁の強度	通常の梁の5〜10倍の強度を実現
柱の間隔	柱スパンを大きく確保し大空間を構成可能
天井高の自由度	最大2.7mの天井高を確保しやすい
吹き抜け設計	柱なしで最大8m幅の吹き抜けを構成可能

※梁強度が高いことで、柱の本数を減らしても揺れに強い構造を維持できます。

ダイナミックフレーム・システムには、制震システム「シーカス」が標準搭載されています。

シーカス制震ダンパー

地震の揺れを熱エネルギーに変えて吸収する特殊装置。震度7クラスの揺れに対して、建物の変形量を半分以下に抑える効果があります。

高耐久の制震素材

ゴム部分は100年持つ耐久性があり、長期的なメンテナンスが不要です。

耐震と制震を両立したこの構法により、鉄骨でも自由度の高い設計と安心の強度が両立されます。

鉄骨3階建ては梁勝ち構造で高層建築性能を実現

3〜4階建ての鉄骨住宅では、より高層建築に求められる水準の耐震性能が備わります。日本初となる「梁勝ちラーメン構造」を採用し、高層ビルと同等の設計思想で組み上げられています。

梁勝ちラーメン構造

通常のラーメン構造では制限されやすい柱位置を階ごとに自由に設計できる独自構法です。

ハイテンションボルト接合

高層ビルと同じく、柱と梁の接合部にはハイテンションボルトを使用し、大きな地震力にも耐えられる接合強度を確保しています。

耐火・制震の外壁設計

外壁にはシェルテックコンクリートを採用。スペースシャトルの耐熱タイルと同成分を使い、1時間耐火認定も取得しています。

この構法により、高層かつ狭小地にも対応可能な柔軟性と耐震性能を両立できます。店舗併用住宅や都市部の3階建て住宅などでも安心して設計が可能です。

木造は実験済の型式認定構法で高耐震性を確保

木造住宅の弱点とされてきた「揺れへの耐性」と「設計の制約」を、両立して解決する構法がシャーウッドです。国土交通大臣の型式認定を取得した唯一の木造軸組構法で、性能の裏付けが明確です。

構造の特徴：ハイブリッド構造

モノコック構造（面で支える）とラーメン構造（線で支える）を融合。壁と柱の両方で揺れに耐える設計で、木造でも大開口を確保できます。

使用木材：北欧産集成材

樹齢80〜120年の木材を使用し、含水率・強度を数値で管理。天然木のばらつきを排除し、強度を安定させています。

基礎ダイレクトジョイント

木造では一般的に柱と基礎の間に土台を挟みますが、積水ハウスは柱と基礎を直接緊結（直結）。揺れの力をそのまま基礎に伝えることで、木造でも高い耐震安定性を実現しています。

地震時の建物損傷やゆがみが発生しにくく、鉄骨と遜色ないレベルでの耐震性が確保されている木造住宅です。

積水ハウスでは、過去の大地震において全壊・半壊ゼロという実績を公式に発表しています。阪神淡路・東日本・熊本地震すべてでその強度が証明されており、見かけの等級や数値だけでなく、実績として信頼できる住宅性能が標準で備わっています。

積水ハウスの外壁は構造別に高耐久素材を標準採用

外壁は住宅の第一印象を左右するだけでなく、耐久性や維持コストにも直結する重要な要素です。積水ハウスでは構造別に異なる高性能外壁を標準装備としており、鉄骨・木造それぞれの特徴に合わせた素材と施工方法が採用されています。

耐震性や防火性に加え、30年メンテナンス不要を前提とした外壁が選べる点は他社と比べて大きなアドバンテージです。高温多湿・地震が多い日本において、将来的なメンテナンス費を抑えながら外観を美しく保つことができる設計思想が外壁にも反映されています。

鉄骨2階建ては重厚高耐久外壁を標準採用している

鉄骨2階建てでは、重厚感のある外観と高い耐火性能を備えたオリジナル外壁が採用されています。どちらも塗装耐久30年の高性能仕様です。

項目	ダインコンクリート	セラブリッド
耐候年数	約30年（タフクリア塗装）	約30年（タフクリア塗装）
主成分	高密度コンクリート	セラミック＋鋼製下地
特徴	厚み・重厚感・耐火性が高い	軽量で施工性が高く耐震性にも優れる
適した印象	落ち着いた高級感ある外観	スタイリッシュでモダンな印象

ダインコンクリートは蓄熱性と遮音性にも優れ、災害時に火の粉を浴びても室内温度が40℃以下に抑えられる高耐火仕様です。一方セラブリッドは、セラミック層と鋼製下地により反りや割れを起こしにくく、軽量で構造負担を軽減する設計が特徴です。

鉄骨3階建ては高強度防火外壁を標準装備としている

高層階を含む鉄骨住宅には、ビルグレードの外壁が標準採用されています。強度・防火・耐震・美観すべてに優れた素材が使用されています。

シェルテックコンクリート

スペースシャトルの耐熱タイルと同成分のケイ素を主原料とし、1時間耐火外壁として国の認定を取得。軽量でありながら強度が通常のコンクリートの約2倍。震災後の火災被害にも高い耐性を持ちます。

SC25セラミックウォール

セラミック素材に鋼製フレームを組み合わせることで、経年変化による反り・歪みを防止。水に強く汚れがつきにくいため、見た目の劣化も抑制されます。

いずれも、構造との一体性を重視した設計で、強さだけでなく外壁としての美しさと維持性能にも配慮された外装材です。

木造は陶板製の高耐久外壁を標準で採用している

木造住宅（シャーウッド構法）には、積水ハウスオリジナルの陶板外壁「ベルバーン」が標準採用されています。外壁材としては非常に珍しい“焼き物製”の素材です。

製法

釉薬を焼き付けて発色させる工程は、食器などの陶器と同じ焼成法。紫外線や酸性雨にも強く、30年以上色褪せがほぼ起きない耐候性能を実現しています。

耐久性

金属や樹脂よりも硬く、曲げ強度は一般規格値の2倍以上。割れや歪みも発生しにくく、積水ハウス独自の「スライドアブソーバー工法」により、地震の揺れにも追従する柔軟性を確保。

デザイン性

1枚1枚が陶板のため、立体感・陰影が自然で高級感が際立つ仕上がり。木造のやわらかさと調和する外観を形成します。

ベルバーンは、美観・耐久・防災性能のすべてを高水準で兼ね備えた木造住宅向け外壁として唯一無二の存在です。初期コストこそ高めですが、長期的な塗装不要・修繕回避でトータルコストを大幅に下げる要素になります。

積水ハウスは窓と断熱で断熱等級5を標準確保している

住宅における断熱性能は、冷暖房費に直結するだけでなく、快適さや健康面にも影響を与えます。積水ハウスでは、窓・断熱材ともに業界トップレベルの仕様が標準搭載されており、追加費用なしでも高断熱住宅を構成できます。

窓は外気温の影響をもっとも受けやすい場所であり、断熱材とセットで性能を比較することで、室温の安定性やランニングコストの差が明確になります。鉄骨住宅では、構造材自体が熱を通しやすいため、断熱構造に工夫が求められますが、積水ハウスではそれを前提とした専用設計が施されています。

SAJサッシは断熱遮熱性の高い高性能窓に該当する

窓から逃げる熱は、冬の暖房時で約58%、夏の冷房時でも約73%を占めるとされ、窓の断熱性は住まい全体の快適性を左右する最重要ポイントです。

外側アルミ＋内側樹脂の複合構造

外側は耐久性に優れたアルミ、内側は断熱性の高い樹脂を採用。屋外の熱を遮断しながら、室内側は熱を伝えにくい構造に仕上げています。

中空層16mm＋アルゴンガス封入

ガラスとガラスの間に16mmの空間＋アルゴンガスを充填。空気よりも熱を伝えにくいガスで断熱性能をさらに向上。窓自体が断熱材の役割を担うレベルの構造です。

標準でLow-E複層ガラス

室内側ガラスにはLow-E（低放射）金属膜をコーティング。夏は日射熱をカットし、冬は室内の熱を逃がさず、冷暖房効率を大きく高める効果があります。

構成要素	内容
サッシ構造	アルミ＋樹脂のハイブリッド
中空層の厚さ	16mm
ガス充填	アルゴンガス
ガラス仕様	Low-E複層ガラス（遮熱・断熱両対応）
断熱等級の目安	HEAT20 G1〜G2レベル相当（地域による）

窓まわりだけでここまでの断熱性能が確保されていることは、光熱費の抑制にも直結します。窓の数が多いプランや南向き配置でも、温熱環境が快適に保たれやすくなります。

鉄骨の断熱はぐるりん断熱で熱橋を遮断する構造

鉄骨住宅は木造に比べて熱が伝わりやすい性質があり、断熱構造が不十分だと、「夏は暑く冬は寒い」状態になりやすいという欠点があります。積水ハウスでは、これを根本から解決する専用断熱工法を採用しています。

構造全体を断熱材で包む「ぐるりん断熱」

天井・壁・床を隙間なく連続的に囲む断熱構造。金属が連続する鉄骨特有の熱橋（ヒートブリッジ）を遮断し、構造体の温度影響を最小限に抑える効果があります。

高性能グラスウールと施工精度

使用される断熱材は高密度グラスウールで、断熱等級5の基準を標準クリア。現場施工も精度が高く、断熱欠損や隙間が生じにくいようマニュアル化されています。

換気との連動で結露対策も強化

壁内結露を防ぐため、換気計画とセットで断熱構造が設計され、冷暖房効率と建物耐久性を同時に高める工夫がなされています。

この断熱構造により、鉄骨でありながら冬の底冷えや夏の熱ごもりが起きにくい室内環境を実現。光熱費だけでなく、冷暖房のストレス軽減や結露防止にもつながります。住宅性能表示制度においても、ZEH対応がしやすい断熱基準を初期状態で満たしている点は、将来的な電気代削減にも直結する要素です。

積水ハウスの水回り設備は大手上位グレードが標準装備

水回り設備は、住まいの満足度に直結する要素のひとつです。積水ハウスでは、国内大手メーカーの上位〜中上位モデルが標準装備として選ばれており、カタログ上ではオプション扱いの設備も初期から含まれているケースが多く見られます。

キッチン・浴室・トイレ・洗面台は、デザイン性や清掃性だけでなく、日常の動線効率やメンテナンス性に直結するため、機能差がストレスの差となって表れやすい部分です。標準装備の内容を具体的に把握しておくことで、オプション選択の必要性を冷静に判断できます。

キッチンは清掃性と機能性に優れた上位機種が標準

キッチンは、家事効率と清掃性を左右する最重要設備の一つ。積水ハウスでは、Panasonic「ラクシーナ」またはクリナップ「ステディア」のどちらかを標準選択できます。

比較項目	ラクシーナ（Panasonic）	ステディア（クリナップ）
天板素材	スゴピカ素材（有機ガラス系）	セラミックトップ
シンク構造	スキマレスシンク	流レールシンク（自動排水設計）
コンロ	ワイドコンロ（横並び対応可）	3口IHまたはガス選択可
収納	フロアコンテナ（奥行スライド）	スライド式＋引き出しトレー付き
清掃性	汚れがつきにくく拭き取りやすい	鍋底の衝撃や熱に強く傷が付きにくい

ラクシーナは作業効率と清掃性に優れた構成で、キッチン中心に動線を組み立てる家族向けにおすすめです。一方、ステディアは耐久性・高級感が強みで、長期的な使い勝手を重視する家庭に向いています。

浴室は断熱性と清掃性を両立する専用ユニットを採用

浴室には、積水ハウスグループの自社製「バスサルーンエスコート」が標準装備されます。設計から製造まで一貫管理されたハウスメーカー専用の高断熱ユニットバスです。

ウェイビー浴槽

湾曲形状で浴槽内をコンパクトに保ちながら、足を伸ばしてゆったり入れる設計。同じ面積でも入浴感が広くなるよう工夫されています。

高断熱浴槽（JIS準拠）

浴槽周囲・床・ふたの断熱性能により、4時間で温度低下わずか約2.5℃以内。追い焚き回数を減らせるため、光熱費削減にも貢献します。

おそうじ簡単素材＋ステップフロア

壁・床は汚れがつきにくい親水性素材を採用。浴槽へのまたぎも40cm程度で、子どもや高齢者も使いやすい設計です。

断熱・安全性・清掃性をバランス良く備えた実用性の高い浴室であり、特別なグレードアップをしなくても満足しやすい装備となっています。

トイレは節水・清掃性に優れるモデルを標準装備

トイレは標準で、TOTO「ピュアレスト」またはLIXIL「アメージュ」のいずれかが選択できます。どちらも日常使用の快適さを意識した設計です。

節水性能

どちらのモデルも大洗浄4.8L／小洗浄3.6Lの節水設計。従来型に比べて年間約13,800L以上の節水が可能です。

フチなし形状

便器縁の裏側に汚れがたまりにくい「フチなしデザイン」を採用。掃除の手間を軽減し、見た目もすっきりしています。

シャワートイレ一体型

操作パネル付きの温水洗浄便座が標準。便座暖房・脱臭機能なども含まれており、オプションなしで快適な機能が使えます。

タンクレスでなくても実用性は十分に高く、予算に余裕がなければ標準仕様での採用でも支障のないレベルといえます。

洗面台は清掃性と収納性に優れる上位モデルが標準

洗面台は、LIXIL「クレヴィ」またはPanasonic「ウツクシーズ」が標準装備されます。どちらも収納・清掃・機能性が一体化したミドル〜上位クラスのモデルです。

クレヴィ

壁付きのタッチレス水栓を標準装備。手をかざすだけで出し止め可能なため、手洗い中の衛生性や節水に効果があります。ボウルも大容量で、洗顔や手洗いがしやすい設計です。

ウツクシーズ

スゴピカ素材のカウンターで汚れにくく、ツヤ感が長持ち。奥行きコンパクトながら使いやすい形状で、水はね防止設計やミラー下部の収納も充実しています。

収納容量や鏡裏収納も豊富で、日常の使いやすさと清掃のしやすさが両立されたモデルが初期から導入されています。

水回りは建築費用に占める割合が大きい設備だけに、標準でどこまで満足できるかが予算配分に直結します。積水ハウスの標準仕様は、機能性・清掃性・快適性のバランスが取れた装備が揃っており、無理にオプションをつけなくても日常生活に困ることは少ないのが特徴です。

積水ハウスの布基礎は地盤調査に基づく合理的な設計

建物の重さを支える基礎部分は、外から見えないながらも家全体の耐久性と安全性に直結する最重要構造です。積水ハウスでは、木造・鉄骨を問わず「布基礎」が標準採用されています。一般的には「ベタ基礎＝高性能」という認識が広がっていますが、実は設計と施工条件により布基礎の方が合理的な選択になるケースも多く存在します。

布基礎は構造計算と調査に基づく適合設計に該当する

強固な地盤を前提とした設計

積水ハウスの設計基準では、構造計算と地盤調査に基づいて耐力が確保できると判断された場合のみ布基礎を採用します。布基礎が選ばれている時点で、必要な耐震・荷重支持性能がすでに確保されている状態です。

メリット：コンクリート量が少なく済み、乾燥・硬化時のムラが少ない

布基礎は立ち上がり部分のみを重点的に構築するため、構造材への湿気リスクを抑えやすく、仕上がりの品質を均一に保ちやすいという利点があります。

防湿対策は標準で施工

ベタ基礎と比較される「地面からの湿気上昇」も、積水ハウスでは床下全面に防湿シート＋防湿コンクリートを標準施工。シロアリ・湿気対策の面でも安心できる仕様となっています。

布基礎とベタ基礎の比較表

項目	布基礎（積水ハウス標準）	ベタ基礎（他社標準も含む）
採用基準	地盤調査により安全性が確認された場合	一律採用のケースも多い
強度の考え方	基礎+構造体+地盤で一体的に設計	基礎単体で広範囲に荷重分散
湿気対策	防湿シート＋コンクリート併用	コンクリート面で一体防湿
工期とコスト	コンクリート量が少なく施工が早い	材料費と打設面積が大きく高コスト
地盤との相性	硬く均一な地盤に適している	軟弱地盤や不同沈下の恐れがある地盤

布基礎は、地盤の安定性が高い土地での性能・施工効率を最大化する設計手法といえます。単に「ベタ基礎でないから不安」と判断するのではなく、構造全体で強度を満たしているかを重視することが合理的です。

地盤改良は事前調査で判定され費用差が生じやすい

地盤改良は、建築前の地盤調査で「地耐力不足」「不同沈下の可能性あり」と判断された場合に実施されます。布基礎・ベタ基礎にかかわらず、必要な支持力を確保できなければ地盤補強が必須です。

地盤改良が必要なケースは以下の通りです。

• 造成地・埋立地・盛土エリアなど、人工的に形成された土地
• 周囲より低い土地、湿地や沼地の履歴がある地域
• 建築予定地に古い建物の解体履歴がある場合

軽微な表層改良で30万〜60万円前後。柱状改良などの中程度の対策で80万〜120万円、杭打ちなどの大規模改良になると200万円以上に達するケースもあります。

積水ハウスでは、契約前に地盤調査を実施し、改良の有無と費用見積を事前に提示します。土地から購入する場合や地盤に不安がある場合は、この費用が想定外の出費にならないよう事前確認が極めて重要です。

基礎は住宅の性能を支える見えない重要構造であり、「布基礎＝劣る」ではなく、「条件に合った設計か」が評価基準となるべきです。積水ハウスは、構造計算・地盤調査・防湿設計すべてを前提とした布基礎を標準とすることで、過剰になりすぎない堅実な住宅性能を確保しています。

積水ハウス標準仕様は性能面で満足度が高い内容が多い

住宅の仕様選びは「どこまでを標準に任せて、どこからオプションを加えるか」がコストと満足度の分岐点です。積水ハウスの標準仕様は基本性能が非常に高く、設備や構造に手を加えなくても“満足できる項目”が多く存在します。ただし、生活スタイルや好みによっては「不足しやすい項目」「費用が跳ねやすい項目」も明確に存在するため、あらかじめ優先順位を決めておくことが失敗を防ぐ鍵です。

外壁・窓・浴室は標準仕様でも満足度が高い項目

外壁（ダインコンクリート・ベルバーン）

どちらも30年以上の耐候性と高い耐久性を持ち、外観・性能ともに追加費用をかけずに完成度が高い仕上がりになります。

窓（SAJサッシ）

超高断熱アルミ樹脂複合構造で、断熱等級5レベルの性能を標準で実現。冷暖房効率の向上と結露リスクの低減にも貢献します。

浴室（バスサルーンエスコート）

断熱・清掃性・快適性のすべてを備えた高性能仕様で、家族全員が満足しやすい標準設備の代表格です。

洗面台（ウツクシーズ／クレヴィ）

タッチレス水栓や清掃性の高いカウンターが標準化され、見た目・実用性のバランスが良好です。

基礎・構造（ダイナミックフレーム／シャーウッド）

耐震等級3＋実大実験の裏付けがあるため、標準構造のままで安心感は非常に高いです。

性能・見た目・使いやすさのいずれも水準が高く、追加投資なしでも十分な満足を得やすい領域です。

トイレ・収納・照明は不足を感じやすい標準仕様

タンクレストイレ

清掃性やデザイン性を重視する場合、標準のタンク付きトイレではやや物足りなさを感じやすいです。

キッチン収納・カップボード

標準で用意される収納は限られているため、収納量を重視する家庭ではカップボードの追加が前提になりやすいです。

太陽光発電の容量

初期で搭載される容量が2〜3kWと少なめなため、売電重視や電気自給率を求める場合は増設が必要です。

照明計画（間接照明・調光）

標準はベーシックなダウンライト中心。デザイン性や演出を求めると物足りなくなりやすいです。

造作洗面・玄関収納

デザイン性や収納力を求めると既製品では足りず、造作対応が必要になる場面が多くなります。

外壁・太陽光・設備選択は費用差が大きく出やすい

項目	内容と費用の目安
外壁の仕様変更	セラミックや高意匠デザインへの変更で+60万〜150万円以上
キッチンの上位モデル選択	Lクラス・CENTROなどにすると+80万〜200万円前後
太陽光容量の増設	1kWあたり約25万〜30万円、5〜6kWにすると+100万円超も
カップボード追加	サイズやグレードによって+20万〜50万円程度
照明・スイッチ追加	間接照明や調光調色追加で+15万〜50万円超
エアコン・床暖房	各部屋設置や全館連動にすると+80万〜200万円以上になることも

仕様変更は見積もりに反映されるタイミングが遅れる場合もあるため、早い段階で「追加が前提となりやすい箇所」に気づいておくことが予算管理の鍵になります。

すべてをアップグレードするのではなく、「満足できる標準」と「必要なオプション」の線引きを明確にしておくことで、費用対効果を最大化できます。積水ハウスの標準仕様は高水準ですが、暮らし方に合ったチューニングを加えることで、後悔のない家づくりが実現します。

シャーウッドとイズロイエは構造ごとに標準仕様が異なる

積水ハウスの主力商品である木造「シャーウッド」と鉄骨「イズ・ロイエ」は、構造だけでなく標準仕様にも明確な違いがあります。どちらも高性能を前提にしていますが、住宅性能の強みや特徴の出方は構造によって変わるため、最終判断ではこの違いを知ることが極めて重要です。

シャーウッドは外壁断熱太陽光を高性能で標準化

自然素材のぬくもりや自由なデザイン性を重視したい方にとって、シャーウッドは構造・設備ともにバランスの取れた選択肢です。環境性能・省エネ性・外観の劣化耐性において、標準仕様のままでも高い満足度を得られる構成です。

ベルバーン外壁が標準

焼き物と同じ製法でつくられた陶版外壁で、色あせにくく高級感が長期間続く特性があります。再塗装が不要なため、メンテナンス費の大幅削減にもつながる実用性があります。

SAJサッシを全窓で採用

内側樹脂＋アルゴンガス封入により、断熱性能が極めて高い仕様です。断熱等級6（UA値0.46以下）を標準でクリアできる構成です。

太陽光発電の標準搭載（ZEH対応）

商品タイプによって異なりますが、ZEH基準に対応する太陽光発電が初期から標準で搭載されているケースが多く、光熱費削減と環境配慮の両立がしやすい仕様です。

シャーウッド構法による高耐震性

モノコック×ラーメン構造＋直結基礎により、木造でも実大実験で震度7に耐える高い安全性が確保されています。

イズ・ロイエは構造外壁断熱で重厚高性能を実現

重厚感ある外観と堅牢な構造性能を重視するなら、イズ・ロイエの仕様は非常に優れた選択肢です。外壁・構造・断熱のすべてが高耐久かつ高性能で、住宅の資産価値維持にも効果を発揮します。

ダインコンクリート外壁が標準

鉄骨2階建てでは30年耐候の塗装技術と、抜群の遮音・断熱性を兼ね備えたコンクリート外壁が標準採用されています。重厚感とメンテナンス性能を両立した優秀な素材です。

陶器瓦（本葺き）を標準搭載

屋根材も劣化しにくい陶器瓦を採用し、見た目の風格と30年以上の耐候性を同時に実現しています。塗装や張り替えの頻度を抑えられます。

ぐるりん断熱（鉄骨専用高断熱構造）

外周部すべてを断熱材で囲う方式で、鉄骨の熱伝導による室温ムラを抑える独自構法。断熱等級5相当の快適性能が実現されています。

ダイナミックフレーム構造による大空間設計

通常の梁の約5～10倍の強度を持つ構造部材により、耐震性を落とさずに柱の少ない開放的な空間を実現します。

比較項目	シャーウッド（木造）	イズ・ロイエ（鉄骨）
外壁	ベルバーン（陶版）	ダインコンクリート
窓サッシ	SAJサッシ（断熱等級6対応）	SAJサッシ（断熱等級5対応）
屋根	瓦屋根 or スレート（商品による）	陶器瓦（高耐候）
断熱構造	高断熱充填＋気密ライン明確	ぐるりん断熱（外周断熱）
太陽光搭載	標準搭載商品あり（ZEH化対応しやすい）	オプション扱い（設置自由度は高い）
耐震構造	シャーウッド構法（型式認定）	ダイナミックフレーム（実大実験実施）

木造・鉄骨ともに性能に妥協はなく、住宅の理想像に近い方を選ぶ判断が最も合理的です。「どちらの標準仕様が自分の暮らしにフィットするか」で選ぶ視点が、後悔しない一棟につながります。

標準仕様を最大限活かすには事前の仕様整理が必須になる

積水ハウスの標準仕様は、性能・素材ともに高水準で整っています。ただし、選び方を誤ると「不要なグレードアップ」や「後からの後悔」につながりやすいのも事実です。自分にとって本当に必要な仕様を選ぶためには、あらかじめ整理しておくべき判断軸がいくつかあります。

外壁・屋根のデザイン優先度を決める

外観は住宅の印象を大きく左右します。ベルバーンやダインコンクリートは標準でも十分高品質ですが、色・模様・瓦の種類にこだわると追加費用が発生するため、優先順位を明確にしておく必要があります。

断熱性能と冷暖房のバランスを検討する

標準の断熱仕様でも快適性は高いですが、窓の配置・部屋の使い方によってはさらなる断熱強化や床暖房が必要になる場合があります。共働き世帯や在宅勤務の有無によって必要な快適性の水準が変わります。

水まわり設備に求める清掃性・収納性の基準を確認

キッチンや洗面は標準グレードでも実用的ですが、見た目や収納力、掃除のしやすさにこだわると上位モデルを検討することになります。事前にどこまでこだわるかを決めておくとスムーズです。

照明やコンセントの配置計画を初期段階で考える

照明は設計終盤での検討になることが多く、気づかないまま使い勝手に不満が残るケースも多いポイントです。間接照明・スイッチの場所・調光機能など、事前にイメージしておくことで打合せ時間も短縮されます。

家事動線・生活動線に必要な仕様を具体化する

廊下の幅、洗濯→干す→しまうの動線、玄関まわりの収納量など、実際の生活をシミュレーションしながら設備選びに反映させると、満足度が大きく上がります。

チェック項目	事前に考えておくと役立つ内容
外観の重視度	外壁素材・色・屋根材のこだわり度を明確にしておく
快適性の重視ポイント	断熱性／冷暖房効率／日射遮蔽など、どこを重視するか決める
設備のこだわり度	キッチン／浴室／トイレ／洗面で何を最優先するか確認する
インテリア計画	照明／収納／スイッチ位置など、生活に直結する配置を検討する
動線と間取り	洗濯・家事・来客・育児など、自分の生活に合う動線を明確にする

「すべてを高グレードにする」のではなく、どこにお金とこだわりを集中させるかが、コストと満足度のバランスを決めます。あらかじめ優先順位を整理することで、積水ハウスの高性能な標準仕様を最大限に活かすことができます。

積水ハウスの評判は性能満足と費用差に集約される傾向

実際に 積水ハウス で家を建てた施主の声から、なぜ満足できたかどんな点に後悔を感じたかが見えてきます。高性能仕様を掲げる同社ですが、実際の住み心地・コスト感・アフター対応などで賛否が分かっており、“自分に合う家”を建てるためのリアルな判断材料として非常に参考になります。

構造・設備満足が目立つ

費用感や対応差が積水ハウスの不満点になりやすい

満足点は基本性能・不満点は予算と担当差に集中

ポジティブな声の多くは、構造・素材・設備の標準性能に対する満足が根底にあります。耐震性・断熱性・提案力という住宅の基本性能に関わるポイントで高評価を得ている様子です。

一方でネガティブな声に共通して見えるのは、予算とのギャップ断熱や担当者のばらつき期待されたアフターサービスとのズレです。特に、高性能を標準としている分、期待水準も高くなっており、仕様変更・オプション・担当者選びが満足度に影響します。

積水ハウスで標準仕様のままで満足するためには、契約前の仕様確認・担当者との意思疎通・予算の明確化が少なくとも必須と言えます。

積水ハウス標準仕様に関する検索上位の疑問点を整理

積水ハウスの標準仕様や構造に関して、よく検索される疑問点をまとめました。費用・性能・仕様の違いなど判断に直結する情報を短く明快に整理しています。

Q1. 積水ハウスの標準仕様は他社と比べてどう？

A. 標準で“オプション並み”の性能を持っているのが特長です。

他社で追加費用が必要になる項目が、積水ハウスでは標準仕様で導入されています。特に構造・外壁・断熱・窓・水回りの性能で差が出やすく、設備グレードも一定以上に保たれています。

• 耐震等級3＋実大実験の実績あり
• 外壁は30年超の耐候性を持つタイル系素材
• 窓は全邸SAJサッシ（高断熱）を採用

Q2. 積水ハウスの坪単価はいくら？

A. 目安は90万〜110万円／坪程度です。

商品・地域・仕様によって幅はありますが、鉄骨系の「イズ・ロイエ」や木造の「シャーウッド」シリーズでおおむねこの範囲に収まります。太陽光・蓄電池などを追加すると坪単価はさらに上がる傾向があります。

Q3. 標準仕様でどこまで満足できる？

A. 外壁・窓・断熱・浴室は標準でも十分満足できます。

外壁の「ベルバーン」「ダインコンクリート」、断熱の「ぐるりん断熱」、窓の「SAJサッシ」などは性能が高く、追加費用なしで快適性・耐久性を確保できる仕様です。後悔しやすいのは、意匠や生活スタイルに関わる部分です。

Q4. 標準仕様では足りないと感じる部分は？

A. 収納・照明・トイレ・太陽光容量などは追加検討が必要です。

標準でも生活可能ですが、「デザイン性」や「暮らしやすさ」の面ではオプションでのカスタマイズが有効なことも多くあります。

• トイレのタンクレスタイプは非標準
• 玄関やリビング照明はシンプルな設計
• 造作洗面や収納棚は要望に応じて追加

Q5. シャーウッドとイズ・ロイエはどう違う？

A. シャーウッドは木造、イズ・ロイエは鉄骨で、それぞれ構造・性能が異なります。

比較項目	シャーウッド（木造）	イズ・ロイエ（鉄骨）
構造	モノコック×ラーメンのハイブリッド	ダイナミックフレーム・システム
外壁	陶版外壁「ベルバーン」	ダインコンクリート／陶器瓦
標準断熱	高断熱仕様／太陽光標準（地域あり）	ぐるりん断熱（等級5）
開口設計	木造のため間取り自由度が高い	鉄骨ならではの大空間設計が可能
耐震性能	実験検証済み・耐震等級3	実大実験済み・制震構造あり

それぞれに強みがあるため、間取りの自由度や構造の信頼性、価格帯を加味して検討するのが重要です。

積水ハウスの標準仕様は性能・費用対効果に優れる構成

積水ハウスの標準仕様は、構造・断熱・外壁・設備のすべてにおいて他社のオプション並みの性能を“標準”として提供している点が最大の特長です。住宅の基本性能に関わる重要な要素が初期価格に含まれており、価格以上の価値を実感できる構成といえます。

下記のポイントは、標準仕様のままでも高い満足度を得やすい領域です。

• 耐震性能は鉄骨・木造ともに実験検証済みで、震度7にも耐える設計
• 外壁はベルバーン・ダインコンクリートなど、再塗装不要かつ高耐久素材
• サッシは全シリーズSAJ仕様で、断熱等級5〜6の快適性を確保
• 浴室・キッチンなどの水まわり設備も清掃性・耐久性ともに高水準

一方で、照明計画・収納・太陽光容量・意匠性といった“暮らしの好み”が色濃く出る部分は追加予算で調整するのが合理的です。判断基準としては、生活の快適性・動線・メンテナンス性に関わる部分を優先することで、後悔の少ない家づくりが実現できます。

どこに費用をかけ、どこを標準で済ませるかという選別が、満足度とコストのバランスを決定づけます。積水ハウスの標準仕様は、その選別をより有利に進められる“完成度の高いスタートライン”と言える仕様構成です。