一条工務店ロスガード90と「うるケア」は生活スタイル適合で選ぶべき

高気密・高断熱住宅で知られる一条工務店。その中核設備である「ロスガード90」は、標準仕様として採用されている高性能な第一種換気システムです。そして、その上位仕様として選べるのが「ロスガード90うるケア」。加湿機能を搭載したこのモデルは、特に冬場の乾燥対策として注目されています。

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ですが、「加湿が付いているから快適」とは限りません。実際には、家族構成や生活リズム、手間の許容度によって向き・不向きが分かれます。加えて、加湿機能には定期的なメンテナンスや電気代など、運用面でのリアルな負担も伴います。

この記事では、単なるスペックの比較ではなく、以下の4つの観点から「後悔しない選び方」を深掘りしていきます。

• 性能の違い（換気効率・加湿能力・制御機能）
• 実際の体感（湿度・温度・快適さの差）
• 維持コスト（電気代・部品交換・メンテ手間）
• 生活スタイル（家族構成・働き方・価値観）

たとえば「うるケア」は、共働き・子育て世帯にとっては頼もしい存在ですが、単身者や湿度の高い地域に住む方にとっては、コストや手間ばかりが増える結果になることもあります。

判断のポイントは、「加湿があるか」ではなく、「自分たちの暮らしに合った使い方ができるか」。この記事を通じて、あなたにとって本当に必要な選択肢を見つけてください。

生活スタイル別にうるケアの必要性を見極める

「加湿があると快適そう」という理由だけで「うるケア」を選ぶと、あとから思わぬ後悔につながることがあります。湿度の感じ方や必要性は、住む地域・家族の人数・生活パターンによって大きく異なります。

選ぶべき基準は「加湿が付いているかどうか」ではなく「その機能が暮らしに合っているかどうか」です。

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この章では、実際のライフスタイルごとに「うるケア」が合う・合わないを具体的に整理します。

家族構成別に異なる加湿機能の必要性

それぞれの生活スタイルによって、加湿機能の必要性や価値はまったく違ってきます。

子育て世帯は自動加湿で健康管理を優先すべき

乾燥による風邪や肌トラブルを避けたい時期。赤ちゃんは体温調整機能が未熟で、加湿環境が整っているだけで夜の咳や鼻詰まりの頻度が減るという声もあります。

• 湿度40〜60％の安定した環境が必要
• 加湿器の設置・手入れが負担ならうるケアの自動制御は大きな利点

共働き家庭は全館自動加湿の利便性が有効

日中は家を空けがちで、湿度管理まで手が回らない家庭では、全館自動加湿が重宝します。窓を開けずに換気・加湿ができるのは、花粉やPM2.5対策としても有効です。

• 外出時も加湿・換気が自動で稼働
• 洗濯物の部屋干しにも効果的（湿度が下がりにくく乾きやすい）

単身・DINKs世帯はロスガード90単体で十分

冬でもあまり乾燥を感じない人や、寝室とリビングで加湿器を使い分ける余裕がある場合は、「うるケア」がオーバースペックになることもあります。

• 湿度にそこまで敏感でないなら、加湿器で十分
• 電気代や手間を減らす目的でロスガード90単体でもOK

加湿前提で選ぶと後悔する要因が発生する

リサーチ段階で「加湿があった方が快適そう」と思って安易に選ぶと、導入後に意外なストレスを感じることがあります。

以下に、うるケア導入後によくある「後悔ポイント」を整理します。

水補給や掃除を想定していなかった

加湿ユニットの給水タンクには定期的な水の補充と清掃が必要です。手間が増えることを後から知るケースが多く見られます。

湿度が高すぎて結露やカビが発生した

適正湿度（40〜60％）を超えると、窓の結露や家具のカビが出ることがあります。特に北側の部屋や気密性の高い住宅では注意が必要です。



しょーすけ

過加湿は健康リスクや建物劣化を招く可能性も

加湿ユニットの掃除が面倒になって放置

加湿機能は24時間稼働が基本なので、清掃やメンテナンスを怠ると水垢・ぬめり・臭いの発生源になります。使用者の「維持する覚悟」が必要です。



しょーすけ

清掃を怠ると不快なニオイや汚れが発生します

電気代やフィルター交換などのランニングコストが想定外だった

加湿だけで月300円前後の電気代がかかります。さらに数年後には部品交換費用が発生することもあるため、トータルコストの見通しが必要です。

「うるケアがないと快適に暮らせない」家庭もあれば、「自分で加湿管理した方が手軽で安い」と感じる家庭もあります。選ぶ基準は、あなたがそれを「使いこなせる生活スタイルかどうか」です。

ロスガード90の基本性能と、うるケア追加で何が変わるのか

一条工務店の住宅に標準装備される「ロスガード90」は、高性能な換気システムです。そして「うるケア」は、そのロスガードに加湿機能を後付けしたオプション仕様です。つまり、「うるケア」は別製品ではなく、ロスガード90の拡張構成という位置づけです。

ここでは、両者の共通点と違いを「構造」「性能」「使い心地」の面から整理し、購入時の誤解や過剰期待を防ぎます。

ロスガード90は熱交換90%の高性能換気装置

ロスガード90は、外気と室内空気を入れ替える「第一種換気システム」で、熱交換効率90％を誇る高性能モデルです。寒冷地や高気密住宅との相性が非常に良く、室温をキープしたまま空気を新鮮に保てるのが大きな魅力です。

基本仕様（ロスガード90）

項目	内容
換気方式	第1種換気（給気・排気ともに機械で制御）
熱交換効率	最大90％（熱だけでなく湿度も交換）
フィルター性能	花粉除去率99％・10年分無償提供あり
消費電力	約30W前後（換気機能単体）
静音性	動作音約25dB（深夜でも気にならない）

※第一種換気とは、外気の取り入れと室内空気の排出を両方機械制御で行う方式で、温度と湿度を調整しながら換気する仕組みです。

ロスガード90の実用メリット

• 室温が下がらない換気：冬でも換気による熱損失が少なく、暖房効率が落ちにくい
• 空気が乾燥しにくい：湿度交換機能により、乾燥した外気でも室内の湿度を一定に保ちやすい
• メンテナンスしやすい設計：フィルター交換が簡単、標準で10年分が支給される

このように、うるケアがなくても換気・保温・防塵という3点で高い基本性能を備えています。

うるケアは自動加湿制御と全館均一加湿が特長

うるケアは、ロスガード90の本体構造はそのままに、「遠心破砕式加湿ユニット」を追加したオプション仕様です。単純な加湿器とは異なり、家全体を均一に加湿できる点が最大の違いです。

追加される機能とその実態

項目	内容
加湿方式	遠心破砕式（回転ディスクで水を霧化）
消費電力	約16W（加湿ユニット部分のみ）
月間電気代目安	約300円（1日24時間稼働）
自動制御	湿度センサーで加湿量を自動調整
メンテナンス	タンクの給水・加湿部の清掃が必要
使用制限	井戸水は不可、水質により清掃頻度が増す

技術のポイントと生活面への影響

湿度センサーによる自動調整

室内が適正湿度（40〜60％）を超えそうになると、自動的に加湿量を減らす。過加湿による結露やカビの発生を抑える設計になっている。

全館加湿で空間全体が潤う

部屋ごとに加湿器を置く必要がなく、リビングから脱衣所まで均一な湿度を保ちやすい。



しょーすけ

家中まるごと快適湿度に保てるのが大きな特長

電気代は月300円程度と経済的

毎日フル稼働しても、加湿機能だけで年間約3,600円の電気代と考えると、効率性は高い。

とはいえ、うるケアを導入すればすべてが解決するわけではありません。給水・清掃・部品交換といったメンテナンスの負担は発生します。

湿度上昇4％で体感温度が明確に変化する

「うるケアは本当に意味があるのか？」——この疑問に応えるには、実際の湿度・室温の変化データを見るのが最も説得力のある判断材料になります。

ここでは、導入前後での湿度変化や、部屋ごとの加湿効果について、実際に測定された体験データを元に解説します。特に冬場の乾燥が気になる時期に、どこまで快適さに違いが出るのかを数値ベースで確認しましょう。

湿度4％上昇で快適性と温感が大幅に向上する

うるケアを導入した家庭の中には、「湿度がわずか数％上がっただけで、明らかに体感温度が変わった」と感じるケースがあります。

以下の表は、ある家庭のリビングと脱衣所における加湿前後の実測データをまとめたものです。

測定箇所	加湿前の湿度	加湿後の湿度	室温の変化	体感の違い
リビング	40％	44％	21.1℃ → 21.8℃	肌の乾燥が和らぎ、暖かく感じた
脱衣所	38％	43％	20.0℃ → 20.7℃	入浴後の冷えが軽減された
洗面所	36％	42％	19.5℃ → 20.2℃	洗顔時のヒリつきが減少

※数値は実際の住宅での測定結果を元に構成。季節は1月中旬、外気温約5℃前後。

このように、湿度が4〜6％上がるだけでも体感温度が0.5〜0.8℃上がったと感じられるケースがあり、特に乾燥に敏感な人にとっては効果がはっきり表れます。

また、リビングだけでなく「脱衣所・洗面所などの小空間でも均等に加湿されている」点は、全館加湿の大きな特徴です。

快適性維持には40〜60％の湿度制御が必須

湿度が高ければ高いほど良いというわけではありません。快適さと安全性の両立には、適度な湿度バランスを保つことが重要です。

快適とされる室内湿度の目安

• 冬の室内：40〜60％が適正
• 夏の室内：50〜60％以下が望ましい（高湿度による不快感防止）

しかし、うるケアや他の加湿機器を使いすぎると、次のようなリスクも出てきます。

• 窓や壁の結露
• 家具やクロスのカビ発生
• アレルゲンとなるダニの増殖
• 空気中の細菌繁殖

「窓ガラスが毎朝びっしょり濡れている」「押し入れがかび臭い」などの現象は、湿度が60％を超える状態が長く続くことで起こります。

そのため、うるケアを使う際も「自動湿度センサー制御」が非常に重要です。うるケアは湿度が一定レベルに達すると、自動的に加湿を止める設計になっているため、手動加湿器よりも過加湿リスクは抑えやすいと言えます。

うるケアの加湿効果は、たった数％の湿度上昇でも体感・健康・快適性に確かな差をもたらします。しかし、湿度が上がりすぎると逆効果になるため、「自動制御」と「使用者の意識」の両輪が必要です。

加湿の快適性と維持管理の手間を天秤にかける

うるケアのような全館加湿システムは、使い勝手が良く快適さを高めてくれます。ただし、「付けて終わり」ではなく、毎日の給水・定期的な掃除・数年ごとの部品交換といった手間とコストもセットで付いてきます。

この章では、「うるケアを使い続けるためにどんな作業が発生するのか」「どの程度の費用がかかるのか」を明確にし、手間と快適さのバランスをどう捉えるかを考えていきます。

加湿ユニットは給水と清掃を継続する必要がある

うるケアは基本的に24時間稼働する仕様ですが、完全に放置できるわけではありません。特に注意したいのが、給水・タンク管理・加湿ディスクなどの部品清掃です。

以下は、使用者が経験する主な作業内容です。

水の補給（週1〜2回）

加湿ユニットのタンクには定期的に水を入れる必要があります。設置場所によっては補給作業が面倒になることも。

加湿ディスクの清掃（月1〜2回）

水垢やぬめりが発生しやすく、放置するとニオイや加湿性能低下につながります。

加湿タンクや給水経路の洗浄（季節ごと）

冬期が終わる頃には全体の清掃が必要。分解清掃が面倒という声も。

劣化部品の交換（数年単位）

遠心破砕ディスクやセンサーは経年劣化します。突然の故障を防ぐため、使用5〜7年目以降の交換を推奨。

長期使用では清掃負担が後悔要因になりやすい

一見すると簡単そうな作業でも、数年経つと「掃除が面倒になってくる」という声が増えます。

• 「給水作業が地味に面倒」
• 「放置したらタンクにぬめりが出た」
• 「説明書通りに掃除したのにニオイが取れない」

加湿の恩恵を受けるには、「長く維持できる環境を整えること」も選択時の重要なポイントになります。

うるケア維持には定期清掃と部品費用が発生する

うるケアは加湿ユニットだけでなく、ロスガード90本体にも給気・排気のフィルター管理が必要です。これらのメンテナンスを怠ると、換気効率が落ち、空気質の低下や機器寿命の短縮にもつながります。

以下の表は、主な交換・掃除項目と推奨頻度、コストの目安です。

項目	推奨頻度	内容	コスト目安
給気フィルター掃除	3〜6ヶ月ごと	ホコリや花粉を除去	無料（掃除のみ）
給気フィルター交換	年1回	標準で10年分無償提供	追加購入で約2,000円／枚
加湿ディスク清掃	月1〜2回	水垢・ぬめり除去	洗剤代数百円程度
加湿ディスク交換	5〜7年目安	摩耗・変形時に交換	約3,000〜5,000円（予想）
センサー・配管	故障時のみ	湿度制御センサーなど	故障内容により異なる（数千〜数万円）

加湿運用には月600円前後の継続コストが発生

• 電気代（加湿部のみ）：月300円（年間約3,600円）
• 清掃用品・部品：年あたり1,000〜3,000円程度
• 長期的部品交換：10〜15年スパンで総額3万〜10万円程度

全体としては決して高額ではありませんが、「手間」と「忘れやすさ」こそが最大の課題です。

「うるケア」の快適さを支えているのは、地味な維持管理の積み重ねです。これを楽しめる人には最高の設備ですが、「手間を感じたくない」「メンテを忘れがち」という方にとっては、意外なストレス要因になるかもしれません。

うるケアは10年で15万円の価値を見極める設備

うるケアの加湿機能は魅力的ですが、「果たして本当に10万円の価値があるのか？」という疑問は誰もが一度は感じるはずです。ここでは、初期費用と10年間のランニングコストを具体的にシミュレーションし、「満足感と費用のバランス」を冷静に評価します。

また、15年スパンでの部品交換や修理の可能性も踏まえて、「長く使って本当に納得できる設備なのか？」という視点で深掘りしていきます。

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うるケアは快適性重視なら月600円で十分回収可能

うるケアの導入には、およそ10万円前後のオプション費用がかかります。一見すると高く見えますが、10年というスパンで見ればどうでしょうか？

初期費用＋10年分の運用コスト（概算）

項目	年間目安	10年累計	備考
初期導入費用	–	100,000円	契約時に一括または住宅ローンに組込可能
加湿電気代	約3,600円	36,000円	月300円 × 12ヶ月 × 10年
フィルター・部品	約1,500円	15,000円	目安。交換部品や掃除用品など
合計（10年間）	–	約151,000円–	メンテナンス含む実費換算

月額換算にすると…

住宅ローンに組み込んだ場合、仮に金利1.5%、35年ローンとした場合：

• うるケアオプション：月々約290〜300円の追加返済
• 加湿電気代と合わせても：月600円以下の出費

「もとは取れる」の基準は快適性と満足度

• 毎年の風邪予防・乾燥肌対策の効果
• 加湿器の買い替え・管理の手間がまるごと不要になる
• 部屋ごとの湿度差が少なく、生活全体の質が向上

このように、「コスト回収」よりも「快適さと手間の削減の価値」で考えると、導入する意義が明確になります。

10〜15年後に5〜10万円の部品交換が必要

10年後、15年後もずっと快適に使い続けるには、「設備の寿命」と「部品交換費用」にも備えておく必要があります。

耐用年数と交換想定（非公式情報含む）

部品・装置	予想寿命	交換目安コスト	備考
加湿ディスク	約5〜7年	3,000〜5,000円	定期清掃でも劣化は進む
湿度センサー	約10〜15年	5,000〜15,000円	故障時のみ交換
加湿ユニット本体	約15年	20,000〜50,000円	故障内容により大きく変動
配管・タンク	約10年〜	数千円〜	経年による劣化あり

考慮すべきポイント

• 保証期間終了後の故障は実費対応になるため、費用が読みにくい
• 交換部品は予告なく仕様変更・価格改定される場合もある
• 長期的には「10〜15年で5〜10万円の再投資」が必要と考えておくと安心

清掃習慣と費用備えが長期満足度を左右する

うるケアの寿命を超えて使用するには、以下のような「備え」が重要です。

• 月1回の清掃を習慣化して劣化を遅らせる
• 保証期間中の不具合は早めに点検・申請する
• 部品代・修理費用を積立しておく（月500円程度でも可）

最終的な満足度は、「加湿機能がどれだけ活躍したか」だけでなく、「どれだけ手間なく維持できたか」「予期せぬ出費がなかったか」も大きく影響します。

結露の不安は本当に解消される？うるケアの湿度制御の実力

加湿＝快適というイメージがありますが、湿度を上げすぎると「結露」という新たな問題を引き起こす可能性があります。特に冬場は、暖かい室内空気と冷たい窓の温度差によって、目に見えるほどの結露が発生することもあります。

うるケアを導入すれば加湿によって室内が潤いますが、その一方で「結露しやすくなるのでは？」という不安を抱える人も少なくありません。

この章では、結露が起きる仕組みとうるケアの制御技術、さらに一条工務店の住宅全体でどう対策が組まれているのかを解説します。

一条工務店は構造的に結露しにくい設計が標準

結露は、単に湿度の上げすぎが原因で起きるものではありません。断熱・気密・換気の設計が不十分な場合に発生しやすくなります。

一条工務店では、加湿機能を安心して使えるよう、住宅そのものが「結露しにくい構造」として設計されています。

一条工務店の代表的な結露対策構造

項目	内容
高断熱樹脂サッシ	外気の冷たさを室内に伝えにくく、窓辺の冷却を防止
トリプルガラス	ガラス間に空気層を設け、断熱・防音効果を強化
高気密構造	外気の侵入を極限まで抑え、結露の発生ポイントを削減
熱交換換気（ロスガード90）	室内と外気の温度差・湿度差を緩和して換気
全館空調・エアフロー制御	家中の温度・湿度を均一に保ち、局所的な冷えを防ぐ

このように、うるケアを安心して使うためには「加湿だけでなく、建物全体が結露しにくい構造であること」が大前提となっています。

よくある失敗例として「リビングは快適だったが、北側の寝室の窓にびっしり結露が出た」というものがありますが、それは断熱不十分・温度ムラのある住宅での加湿が主な原因です。

一条工務店のように、断熱・気密・換気がセットで整っている家だからこそ、全館加湿が実現できるとも言えます。

湿度センサー自動制御は結露防止に有効だが限界あり

うるケアには「過加湿を防ぐための制御機能」が備わっています。これが加湿器との最大の違いであり、結露を防ぐ安心材料となります。

うるケアの制御の流れ（簡易モデル）

1. 室内各所に設置された湿度センサーがリアルタイムで空気中の湿度を測定
2. センサーから得られたデータを元に、加湿ユニットが加湿量を自動調整
3. 室内湿度が快適域（40〜60%）を超えると、自動的に加湿を停止

手動加湿器との違い

比較項目	うるケア	一般的な加湿器
加湿制御	湿度センサー＋自動制御	手動設定または簡易センサー
加湿範囲	家全体を均等加湿	設置部屋のみ局所的加湿
結露リスク管理	自動停止で防止	常時稼働で過加湿になりがち

制御の信頼性と限界

うるケアのセンサー制御は、過加湿による「見えない結露リスク」も抑える工夫がされていますが、以下のような運用面での注意点はあります。

• カーテン・家具の裏など空気がこもる場所には結露が出やすい
• センサーが設置されていない場所の湿度変化までは正確に把握できない
• メンテナンス不足（センサーの汚れなど）で制御精度が落ちることもある

つまり、うるケアの制御技術は「信用できるが、完全自動とは思わず、最低限の運用知識は必要」と理解しておくと安心です。

このように、加湿＝結露リスクという単純な図式ではなく、住宅設計・換気・制御の三位一体で管理できてこそうるケアは真価を発揮します。

ロスガード90は加湿なしでも快適？うるケアとの違いは「暮らしに合うかどうか」

「ロスガード90」と「ロスガード90うるケア」。この2つを比較するとき、つい「加湿がある方が上位モデル」と考えてしまいがちです。

しかし、この記事全体で見てきた通り、加湿機能が付いているだけでは「後悔しない家づくり」は実現しません。重要なのは、その加湿機能を自分の暮らしの中で“無理なく使い続けられるか”どうかです。

以下は、うるケアの導入を検討するうえで必要な4つの視点です。各項目を確認しながら、「自分の暮らしにとっての最適解」を見つけてください。

生活スタイルとの相性

家族構成・働き方・湿度への感度（赤ちゃん／共働き／単身など）を基準に、加湿が本当に必要かどうかを見極めます。

性能と体感の差

湿度が4〜6％上がることで体感温度が0.5℃〜1℃上昇する例もあり、加湿による快適性の違いは体で実感できるレベルです。

メンテナンスの手間とコスト

月1〜2回の清掃、部品交換、電気代の積み上げなど、維持し続ける覚悟と労力を許容できるかがカギになります。

長期的なコストと満足度

初期費用10万円＋10年の維持費約5万円前後。月600円以下の投資で得られる快適性を「高い」と感じるか「安い」と思えるかは、価値観次第です。

最後に、うるケアを選ぶかどうかで迷っている方へ、「こんな人は向いている／いない」の目安を簡単に整理します。

うるケアが“向いている”人は以下のような人です。

• 加湿の恩恵を日常的に感じやすい（肌・喉が弱い、赤ちゃんがいる）
• 忙しくても湿度管理を自動化したい（加湿器の給水や掃除が負担）
• 月500円前後のランニングコストを許容できる

反対に、うるケアが“なくても困らない”人は以下のような人です。

• 加湿器を自分で管理する習慣がある
• 湿度にそれほど敏感ではない（自然湿度が高めの地域など）
• 手間や費用が少ないほうを優先したい

うるケアを選ぶべきか迷ったら、まずは「自分の暮らしにフィットするかどうか」を問い直してください。

加湿機能は「あるかどうか」より、「活かせるかどうか」がすべてです。あなたの生活にとって、うるケアが必要な機能なのか、それとも過剰なのか。この記事がその判断を後押しできていれば幸いです。